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6話
「それ、俺何となく分かる気がします」
シャワーを浴びて出てきた祐斗が、がしがしと頭を拭きながらペタペタと歩いてきた。
「不審者の事もですけど、むつさん今日少し寝てたじゃないですか、夕方に。あの時も何かうなされてて…怖いんじゃないですか」
「不審者って宮前さんだろ?そんな怖くなるような事があったのか?病院では普通に仲良さげだったけど」
「あ、そうなんすか?」
「何かよっぽどだったみたいだね。宮前さん本人には、何があったか話してたみたいだけど」
祐斗用にと西原は、冬四郎が買ってきていたオレンジジュースをついで持ってきた。
「何したか、宮前さんに聞く?」
颯介がにやりと意地悪そうな笑みを浮かべた。祐斗は、本当に颯介が冬四郎をいじるのが楽しいんだなと思った。
「答えるとは思えませんけど」
西原が言うと祐斗も頷いていた。
「けど、その不審者は気になるな。俺も1回むつと追いかけてるし…だから、警視正は俺と宮前さんをこっちに回してるんだろうな」
「よろず屋とむっちゃんの家に不審者が出てるから…単純にみても、むっちゃんが狙われてる可能性高いですもんね」




