6話
祐斗にぶちぶちと言わながら、ドライヤーで髪の毛を乾かしトリートメントをつけて三つ編みにしたむつは、寝ると言って早々に部屋に引っ込んだ。
颯介がそっとむつの部屋を覗いて、むつが寝ている事を確認するとそっとドアを閉めた。
「寝てますか?」
「うん。疲れてるんだろうね」
「それにしても…どうするんですか?」
薄めに入れたコーヒーを持ってきた西原は、これから3人がどう動くのかが気になっていたようだった。
「本当に手詰まりですし…むっちゃんは、まだ何か隠してるような気がするんですよね。どう思いますか?」
そう聞かれても、西原は何と答えて良いのか分からなかった。隠し事をされてる気もするが、西原が知っている事は他にない。
「無いと思いますよ。隠してるなら、自分の考えくらいじゃないですか?」
「やっぱり、そう思うんですね…けど、お兄さん方に責められても答えそうにはないですよね。頑固だし」
颯介はコーヒーを飲んで、溜め息をついた。
「頑固なのは否定しませんが…明日、聞いてみたらどうですか?きっと、劇場に行くって言い出すでしょうし」
「そうしますよ…それにしても、むっちゃんがこうも人を家に泊めるとは思いもしませんでした。人が来るの嫌がりそうなのに」




