表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-人形の街-  作者: 幹藤 あさ
302/410

6話

むつがそう言うと、晃は黙った。むつは、はっきりとは言わなかったが、手はない。と言ったも同然だった。


それを聞いていた冬四郎も颯介も祐斗も西原も、何も言えずに黙っていた。むつがそれを承知でそうしたのかと思うと、何も言えなかったのかもしれない。


「…むっちゃん、そろそろ薬飲んで休んだ方が良いんじゃない?」


沈黙に耐えきれなかったのか、颯介はそう言うと薬袋をむつに渡してキッチンに行き水を持ってきた。


「その前にちゃんと食べた方が良くないですか?耳しか食べてないっすよね?せめて、1切れくらいは…はい。あーん」


祐斗は箱に残っていたピザを取ると、むつの口の前に持っていった。むつは、嫌そうな顔をしたが、仕方なく口を開けるともそもそと食べ始めた。


「そんな嫌そうな顔しないで。食べたいって言ったのむつさんじゃないですか。美味しいでしょ?」


「うん…もう1年くらいはいらないけどね」


文句を言いつつも、むつは1切れ食べ終えると颯介から水を受け取り薬を飲んだ。


「さ、お風呂入っておいで。片付けは…宮前さんがしておくから」


「えっ‼何で俺?」


「はーい」


押し付けられる形になった冬四郎は、困った顔をしていたが、むつはさっさと風呂場に向かっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ