6話
出前のピザを食べながら、話は自然と仕事の事になっていた。ピザ食べたいと言い出したのは、むつだったがあまり食欲は湧かなかったようだ。1切れも食べ終わらないうちから、ソファーにもたれていた。
晃も加わった所で、再び初めから説明をしたのは颯介だった。晃は、一言も言わずにじっと耳を傾けていた。
「で、社長と沼井の奥さんが一緒に居た理由ですが…むっちゃんには何か心当たりがあるようで」
ピザの具が乗った部分を西原の皿に乗せ、耳の部分をかじっていたむつが顔を上げた。
「利用されてんじゃないかな、と。社長は今入院中でしょ?けど…契約は実行されてるから」
「何で言いきれるんすか?」
耳の部分を皿に置いて、むつは温かいお茶を飲んだ。コーヒーが飲みたかったが、藤原に貧血の薬を飲むからダメだと言われていたのだ。
「そーゆー契約をしてる。あたしが」
「どういう事だ?」
むつが乗せた具の部分を、折って口に入れようとしていた西原が首を傾げた。
「…劇場から社長を連れて出たいっていうのが、あたしがした契約なの。で、社長を見た時に死ぬなって思ったの。契約を結んでる事を人形から聞き出せたから」




