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6話
「んーっと…どこから話したら良い?」
「はい、はーい。むつさん、沼井から仕事2件受けたんすよね?もう1つは何すか?」
祐斗が挙手をして言うと、むつは冬四郎の鎖骨辺りに頭を置いて上を見た。冬四郎は渋い顔をして、西原の方を見た。西原も腕を組んで少し悩んでいる。
「社長と沼井の奥さんが不倫してるんじゃないかって疑惑をかけられて、その…不倫調査が2件目のやつ」
冬四郎と西原が悩んでいると、むつは待つのが面倒だったのか、あっさりと答えた。
「えー?何で沼井の奥さんと?」
「昔、付き合ってたんだって。んで、沼井のが出世が早いから鞍替えしたって聞いたよ」
「うっわ、最低な女だね」
颯介が嫌々そうに言った。祐斗もそう思ったのか、眉間にシワを寄せていた。
「稼ぎが良さそうな方を選んだ…って事は別に沼井の事も社長の事も好きじゃないって話ですよね?それが、何で社長と?」
「さぁ?」
むつはこほっと咳をすると、しんどそうに冬四郎の身体にもたれていた。冬四郎もむつがずり落ちないように、お腹の辺りに手を回して支えている。
 




