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6話
むつが正直に言うと、祐斗と颯介はやっぱり、という顔をしたが責めたりはしなかった。と、言うよりも何か言いたかったのかもしれないが、冬四郎が戻ってきたから言えなかったのかもしれない。
「ほれ…あとは適当に好きなの選んで」
冬四郎はスポーツドリンクをむつの手を取って、直接持たせてやった。
「ありがと。それで…名前とか分かったの?」
「あぁ…とりあえず分かった限りだと」
冬四郎はジャケットの内ポケットから手帳を取り出すと、名前を読み上げた。続けては西原も同じ様に名前を読み上げた。他の管轄は、晃が頼んで調べてくれたらしく、それを冬四郎は携帯を見ながら読み上げた。
「ざっと、6人って所だな」
「なら、沼井と名無し2人にあたしと社長を入れて11人って事かな」
「は?」
「え?」
スポーツドリンクのペットボトルに口をつけていた、むつは口を放して瞬きをした。
「…あっ」
「お前、目と耳と肺がっていうのは、それでか?そうなんだな?何で黙ってたんだ?」




