表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-人形の街-  作者: 幹藤 あさ
280/410

6話

祐斗に背を向けて、笑みをしまったむつは、シンクに手をつくと深い溜め息をついた。左目は見えていないし、左耳が聞こえていない事に安堵するのは、おかしな話ではあったが、現実なんだという安心感があった。


普段ならしないのに、シンクに灰を落とした。西原にだけ見せた、白い封筒、成立の証の手紙が気になっていた。先程は、どこと交換されたのか分からなかったが、何となく分かった。


やけに息苦しい。リビングからキッチンまでタバコを吸いながら数歩だけの距離にも関わらず、遠く感じたし、息切れしていた。


「肺、か…?けど、誰が?」


むつは、胸元を手で押さえながら、蛇口をひねって水を出すとタバコを消した。


「あ…」


ふいに山上の顔が浮かんだ。山上がこれ以上、犠牲にならないように、なる場合はむつが契約者となる事を、あの禿に言った事を思い出した。誰かが、山上の身体と交換に願いを叶えた者が居る、という事だろう。


むつには、沼井の妻であり、山上と共に居た女性の事を思い出した。


「あの人か…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ