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6話
「うなされてるから、様子見に来たんですよ…そしたら、まさかの頭突き」
むつはベッドから下りて、祐斗の頭を撫でた。祐斗は、大人しくしばらく撫でられていた。だが、恥ずかしくなったのかむつの手を払い除けた。
「ごめん、ごめん…ちょーリアルな嫌な夢みてた。ホントびびったわ」
「で、もう体調は良いんですか?」
「ましかな?けど寒気する…風邪かな?」
布団を整えて、むつは大きく伸びをした。
「映像全部チェック終わりましたけど、やっぱりむつさんしか映ってないですね。で、やっぱり人が消える前と映る前は映像途切れますね」
「そっかぁ…無駄骨だったか。ごめんね。で、あの2人は?」
「西原さんと宮前さんですか?まだ出ていって2時間も経ってないですよ…まだ戻って来ないと思います」
「ふーん?もう夜か…着替え取りに行く?っか、ご飯する?」
部屋のカーテンを開けて、むつは外を少しだけ眺めていた。夢の中でも夜だったな、とむつは思った。




