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6話
冬四郎と西原が出ていくと、むつはベッドに寝転がり白い封筒を見ていた。中身は、確認しなくても分かる。だが何故、これが届いたのかは分からない。そして、何処と交換された実感も湧かなかったが、この異様に寒いのがそうなのかも、とむつは思っていた。
西原には、絶対に家から出るなと言われたし、冬四郎からは大人しく寝てるように言われていた。
寝返りを打ちながら、むつはせめて2人が戻ってくるまでは、寝ていようかとも思った。だが、このまま寝ても大丈夫なのだろうか、という不安も沸き上がってきていた。
雪山で寝たら凍死する、というのと似ているんじゃないかと、むつは本気で考えていた。それに、山上の事も気になる。藤原に任せておけば大丈夫な気もするが、もって2日、3日と言われてしまうと、焦りが出てくる。
むつは仰向けになり、天井を見上げていたが、あっという間に瞼が重たくなってきた。このまま寝るのは不安ではあったが、抗う気持ちはあまりない。それ程に眠くなってきていた。




