6話
部屋に入ったむつは、すぐに服を脱いで部屋着に着替えた。だが、ひんやりとした部屋着のせいで余計に寒くなった気がした。
むつは布団に潜ったが、ふと冬四郎が写真を持ってきたか聞くのを忘れた事を思い出した。仕方なく、布団をずるずると引きずりながら、ドアを少し開けて顔を出した。
「しろーちゃん…ちょっと」
手招きをして呼ぶと、冬四郎はパソコンから視線を外して立ち上がった。
「何だよ?…っか、なんつー格好して」
むつは冬四郎の腕を掴んで部屋に入れると、ドアをぴったりと閉めた。それを見て、颯介と祐斗は顔を見合わせた。そして、そっと西原を振り返った。
「な、何?」
「気にしてるかな?と思ったんですけど。むつさんが部屋に連れ込んだわけですし」
西原はふっと余裕の笑みを浮かべると、祐斗の頭をぱしんと叩いた。
「むつさんと言い西原さんと言い…手が早くないですか?」
「言い方が悪くないか?それに…まぁ、こそこそされんのは気になるな」
西原が正直に言うと、颯介と祐斗は頷いて、むつの部屋の方を見た。すると、冬四郎はすぐに出てきた。だが、携帯を片手に玄関を出ていった。そしてすぐに戻ってきて、またむつの部屋に入っていった。が、ドアを閉める前に立ち止まると、振り返った。
「西原君もちょっと来てくれる?」
「あ、はいっ…」
立ち上がった西原は、冬四郎と共に部屋に入った。颯介と祐斗はパソコンの画面に視線を戻したが、見てない間の分を巻き戻した。




