6話
むつは、じっと冬四郎を見た。
「俺、悪くないぞ」
「分かってるけど…これ、あたし悪者になるやつ?」
「侵入してるからな」
むつは溜め息をついて。くず湯を一口飲むとそれでもじっと映像を見ていた。
「うーん…ちょっと貸して」
冬四郎の足の上からパソコンを取るとむつは、ソファーから降りて颯介と祐斗が見ているとパソコンと並べ立て。映像を最初に戻して、倍速にして見ていく。
「これさ…人が消える前と映る前に映像が途切れてる。どのカメラもそうなってる」
「つまり?」
「偽装されてるんじゃない?」
一時停止させた画面の時間を指差した。どの画面の時間も同じだった。
「これじゃ見ても意味ないかも…」
「それでも異常がないか見てみますよ」
祐斗はパソコンを引き寄せて、最初に戻すと見逃しがないか、見ていく。颯介ももう1台のパソコンを自分の方に向けると、祐斗と同じように見ていく。
「むつさん、ちょっと休んできたらどうですか?体調悪いみたいですし」
「うん。何か集中出来てないし、考えもまとまらないから…そうしようかな?任せていい?」
「勿論。勝手にコーヒー貰うけど」
「ありがと。なら、そっちは任せた…2時間くらいしたら起こして」
むつはゆっくり立ち上がると、飲み残したくず湯をキッチンで片付けると自室に引っ込んだ。




