6話
前の3人がわいわいと喋りながら、画面を見ているのを冬四郎は微笑ましげに眺めていた。そんな冬四郎を見て、西原は昨日の夜にむつから聞いた話を思い出して、成る程と納得していた。
「俺の顔が面白い?」
「え?いや、そんな事ないですよ」
横もしっかりと見えている冬四郎は、膝の上に肘を置いて、頬杖をついて西原を見た。
「人の顔ばっか見てるから。何か言いたい事でもあるのかと思ったんだけど」
「あの、む「ねーねー」
西原が何かを言いかけると、むつが顔を上げて、頭をソファーに置いた。反らされた首から鎖骨、胸元までが見えていた。
「これ、パソコン2台にして見れないの?あと早送り的なのどーすんの?」
「データ落としたら良いだろ?パソコンあんのか?」
「部屋にある」
むつは立ち上がると、自室に引っ込んだ。そして、ノートパソコンを持ってくると冬四郎に渡した。
「自分でやればいいだろ」
「やって。あたしくず湯作ってくる」
空っぽになったマグカップを持って、むつはキッチンに向かっていってしまった。冬四郎は仕方なさそうに、使っているパソコンにデータを落としてUSBを抜いてむつが持ってきたパソコンの電源を入れた。




