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6話
「あ、むつさんだ」
「やけくそ気味に叩いてるね」
横から画面を覗いている祐斗と颯介は、むつを見付けて楽しそうに笑っている。
「ちょっと…祐斗邪魔。あたしが見えない」
「えー?だって、俺も見たいっす」
テーブルにパソコンを置いて、その前にむつ、祐斗、颯介が座り後ろのソファーに冬四郎と西原が座って画面を覗いていた。
「むつさん後ろのソファーから見たら良いじゃないですか。床に座ってると冷えますよ?」
「そしたら遠いでしょ?ってか、何でそんなに見たがるのさ」
「何があったのか知りたいからだよ」
颯介が言うと祐斗は、うんうんと頷いた。
「むっちゃん寒いなら西原さんに抱っこして貰ってゆっくり見たら?」
にやっと颯介が笑いながら言うと、祐斗もにやにやとしていた。むつは、無言のまま祐斗の太股をぱしんと叩いた。
「痛っ…俺が言ったんじゃないっすよ」
「颯介さんの所まで手届かない」
「とばっちりっすよ」
「2人ともちゃんと見る気ある?」




