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6話
西原はキッチンに向かうと、戸棚から片栗粉を出したりし始めた。祐斗がそれを不思議そうに見ていると、西原ははにかむように笑った。
「寒いって言ってるし、くず湯作ろうと思ってね。祐斗君も飲む?マーマレードと蜂蜜入れようか」
「あ、じゃあ…はい。片栗粉で出来るんですか?」
「出来るよ」
片栗粉をマグカップに入れて、水で溶くとお湯を入れて手早く混ぜた。半透明のとろっとした物が出来るとマーマレードと蜂蜜を垂らして味見をして、頷いた。
「ほら、ね。むつに持ってってやって。あとは、みんなコーヒーで良いのかな?」
「良いと思いますよ」
祐斗は先にむつにくず湯を持っていくと、コーヒーの入ったマグカップをお盆に乗せて、運んだ。




