5話
「で、何かしら?」
「あの背の高い人は空気読む人ですね。まぁ山上さんの事だけど、何があったんですか?血液検査はまだ結果出てませんけど、異常は無しですよ。強いて言うなら…弱ってますって感じですね」
むつは、こつんっと頭をつけてうーんと唸った。何があったと言われても、説明は出来ない。
「治療は出きるの?」
「それこそ難しいですね。老衰に近い感じですよ?病気とかの原因がはっきりしてないんで…」
「だよね。ま、ちょっと看ててくれる?たぶん何とかするからさ」
「まぁ病室なんで、ある程度の生命維持は出来ますけど…2日、3日…もつかな?」
藤原がそう言うと、むつはきゅっと唇を噛み締めた。
「で、むつさんはどうしたんですか?」
「さぁ?あたしは藤原君のお世話になるような事は、まだないけど」
「はいはい。無理はしないように…と、近々また空いてる日で良いんで、あれお願いしてもいいですか?最近また、出るようになったみたいなんで」
「病院だから仕方ないね。それは、また連絡するから日程ちゃんと決めようか」
藤原は立ち上がると、むつの方に手を差し伸べた。むつは、その手を取ると引っ張りあげて貰うように立ち上がった。




