5話
女の子の寝室を覗く事に抵抗を持った2人だったが、もし西原がむつの部屋に居るのだとしたら、と思うと颯介と祐斗はすぐに行動に移した。
音を立てないように寝室のドアを開けて、2人は部屋を覗き込んだ。そして、静かに部屋に入るとベッドを覗いた。
むつと西原が向かい合って、すやすやと眠っている。むつは西原に腕枕をされ顎の下に顔を押し付けるようにして眠っている。そして、むつのネイルを施してある指が西原の腕に置かれているのを見て、颯介と祐斗は顔を見合わせた。
しばらく、むつと西原の寝顔を見ていた颯介は、祐斗に向かってドアの方に顎をしゃくって見せた。
そろそろと部屋から出た2人は、また静かにドアを閉めた。そして、揃って溜め息をついた。
「まぁじっすか…あれ。びびるんすけど」
「びっくりだね。三角関係になったのかな…それとも、むっちゃんの好きはやっぱり家族として的なので本当は…?」
「いやいやいや…面白くないっすよ。写メでも撮って宮前さんに見せてやりたい気分です」
「すっごい嫌がらせだね」
冬四郎に好意を抱いていない颯介でさえも、それは酷いと思ったのか、苦笑いを浮かべていた。




