5話
翌日、部屋の中が明るくなりようやく颯介は目を覚ました。起きてすぐ視界に入った部屋は、見覚えのないもので少し焦りを感じた。だが、昨晩の事を思い出すと、ゆっくり起き上がった。
隣で寝ている山上は、夜中に起きた形跡もなく静かに横たわっているだけだった。変わっているといえば、毛布が追加されてるくらいだ。これは、おそらくむつが山上にかけたのだろう。
ぴくりともしない山上に不安を覚えた颯介は、山上の口元に手をあてて呼吸がある事を確認すると胸を撫で下ろした。
そして部屋を見回して、祐斗が居ない事に気付くと物音をたてないように部屋から出た。祐斗はリビングのソファーで毛布をかぶって、まだ寝ている。
むつもまだ起きてきた気配はない。颯介は、祐斗を揺さぶって起こした。
「はぁぁーっと…湯野さん?どうしたんすか?」
「しーっ。西原さんが居ないけど…もしかして、むっちゃんの部屋?」
眠そうに目を擦っていた祐斗は、颯介の言葉を聞くとぱちっと目を開けて、辺りを見回した。
「本当っすね…もう帰ったとかじゃ?」
「それなら、律儀なむっちゃんは起きてきてるでしょ?むっちゃんも起きてないっぽいし…」
「部屋見てみます?」




