表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-人形の街-  作者: 幹藤 あさ
205/410

5話

「その前にお茶くらい淹れるよ…喉乾いた。お腹も空いちゃったし」


むつはそう言いながら、キッチンに入っていくとお湯を沸かし始めた。お盆にマグカップを並べて、スプーンでインスタントコーヒーを入れお湯を注ぐ。


少し首を傾げたむつは、そっとお盆を掴むとリビングに持っていった。重たいしゆっくりと置いたつもりだったが、がちゃんっとマグカップが鳴ってしまい、むつは驚いた。


「ごめーん。あとねぇ…」


鞄を引き寄せ中から、洞窟に行った時の饅頭と劇場で買ってきたクッキーを出した。


「お土産。祐斗開けて」


「むっちゃん、まぁまぁ楽しんでる?」


颯介に呆れたように言われ、むつはへへっと笑うだけで何も言わなかった。


「お前、どんだけ湯野さんたちに心配かけたと思ってるんだよ」


「それは、うん…ごめんなさい。何だろうね、今回は何かヤバかったな。札も持ってくの忘れてたし」


むつは、自身の事なのに不思議そうに言いながらコーヒーをすすった。


「あっち」


意外と唇に触れる量が多かったのか、慌ててマグカップを離すと、下唇を撫でていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ