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4話
『動き回って大丈夫?何かあったら…』
「うん。手持ちの札がないから、ヤバい気もするけど、社長ほっとくわけにもいかないと思わない?」
『何でそんな所に社長が居たのか分からないけど…そうだね。けど、無理はしないように。絶対に』
「分かってる。ヤバくなったら電話する」
『運転中は出れないよ?着くまでヤバくならないで欲しいなぁ…急ぐけどさ』
「うん、お願いね」
颯介ののんびりした、いつもの声と笑い声が聞けて安心したのか、むつは通話を終えると、弾みをつけるようにして自動ドアから離れた。
携帯をポケットにしまい、指先の炎を頼りに関係意外立ち入り禁止のドアを探しに行った。




