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よろず屋-人形の街-  作者: 幹藤 あさ
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4話

寺の中では、写経体験や季節、月ごとに色々な模様し物があるようで、観光用の寺の用な感じだった。


何を思ったのか、むつは料金を払い写経体験をしていく事にした。仏像の安置された部屋に案内され、空いている机をと言われた。むつは、縁側の中庭がよく見える席に座った。


写経というからには、経文を見ながら写していくのかと思ったが、半紙にうっすらと書かれた経文を筆でなぞっていくものだった。


硯で墨をすり、筆を取った。墨のすり方を説明に来た僧侶が、むつが手慣れた様子で墨をすっているのを見て、そっと離れていった。


遠くで人の声や鳥の鳴き声が聞こえたが、真剣に写経を行っていくうちに、それらも聞こえなくなっていった。


むつは、背筋をぴんと伸ばして正座をしてただ筆を動かしていく。読めないし、意味も分からない言葉も多かったが、苦にはならなかった。


全てをなぞり終え、筆を置いてふうっと息をついた。


「初めて、ですか?」


不意に声をかけられて、むつは横を向いた。いつの間にか、むつの隣にはまだ若い僧侶が座っていた。

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