4話
「ふん…宮前さんとも何かあったってわけか。何があったんだ?」
むつは、黙々とご飯と漬け物を口に運んでいる。最後に味噌汁を飲み干すと、箸を置いて手を合わせて、ご馳走さまと言った。
「はぁ…お腹いっぱい。食べ過ぎたかな」
「そりゃ、おかわりしたもんな」
「うん。まだ働かにゃならないのでね。…不審者っていうか誰かが盗み聞きしてたの覚えてる?」
「ん?あ、あぁ…追い掛けても後ろ姿さえ見れなかったやつだろ?」
急に話が変わり、西原は少し驚いたようだったが覚えていたようで悔しそうか顔をしていた。
「一昨日、帰宅したらしろーちゃんが家に居たの…けど、しろーちゃんは仕事してたって言ってて」
テーブルの端の灰皿を引き寄せると、西原は食後の一服を始めていた。
「一昨日…?あ、だろうな。一昨日の夜は発砲事件があってさ、犯人の事で宮前さんがうちの署に来て何か調べてたぞ。俺、会ったもん」
「なら、本当に仕事だったんだ」
「その宮前さんが部屋に居たのと不審者がどう繋がるんだ?」
「分からない。けど、仕事中のしろーちゃんがうちに居たってなると、それは偽物って事よ。瓜二つの…これも不審者だと思わない?」




