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4話
「短いなぁ」
地上から光が差してる事に安心したのか、むつはそう呟くと改めて周りを確認していく。地肌剥き出しの壁と板の敷かれた通路。それから、生きてる人ではない人の多くの気配。だが、それらから悪い感じはしなかった。集まりやすい場所なのかもしれない、と思った程度だった。
そして、ふと1人だとつまらないな、と思った。仕事を颯介と祐斗とする事がそれほど多いわけでもないが、遠出する仕事には誰かが一緒だった。それが今では1人だった。留守番の山上が居ないからだと思うと、何だか腹が立ってきた。
何もない、と判断したむつは、地上に出た。そして来た時よりも、綺麗に手入れされ日差しの届いている小道を歩いて行った。売店みたいな物を見付けて、とりあえず入ってみた。土産物がぽつぽつと並んでいた。あまり、人が来るような場所ではないというのが分かる。
それでもむつは、一回りして見て土産物の饅頭を2箱買って出て。




