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4話
冬四郎からの届け物を机に置くと、マグカップを片付けたむつは、差し入れの包み紙を剥がした。
「焼き菓子の詰め合わせ。颯介さーん、棚にお菓子、代理人からの差し入れ置いとくよー」
「はーい。蓋出来るやつならしといて、管狐が狙いそうだから」
「あーい」
キッチンでタバコを吸いながら、むつは早速パウンドケーキの袋を取り開けていた。すると、颯介が言っていたそばから管狐がむつの肩にするするとのぼってきた。小さな鼻をひくひくさせ、むつの手元を見ている。
「君も早速ね」
半分に割って、袋の上においてやると管狐は頭を突っ込むようにして食べていた。
管狐が食べ終わると、袋をゴミ箱に捨ててむつはデスクに戻った。




