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3話
寝不足と二日酔い気味に歩き疲れたむつに、颯介がコーヒーを持って来てくれた。
「お疲れ様…収穫は?」
「ないっ‼足が痛いよぉ…そういえば、お腹も空いたし。コーヒーありがと」
「お昼食べなかったの?」
「忘れてた。けど、昨日食べ過ぎてるから丁度良くダイエットにはなってるかな」
「良い事なのかな?」
靴を脱いだむつは、隣の誰も使わない椅子に足を乗せて脹ら脛を揉むようにマッサージしている。
「収穫がないのは、よくない」
「だろうね。まぁ気長にやるしかないかな?他の場所にも行ってみないとね」
「うん…明日からは少し遠い場所になるからバイク使って良いでしょ?」
鞄からパンフレットと一緒に地図を出したむつは、向かい側に座る颯介に許可を乞うように見ていた。
「なら、今日は呑まない事」
「うっ…今夜は呑まなくても、なんならすぐにでも寝たい気分だからね」
「だろうね」




