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3話
神社の中は大きな木や池があり、ひんやりと澄んだ空気で満たされていた。汗もひいてきた頃、むつはここにも何もないだろうと思い、階段を下りていった。
階段を下りたむつは、ふと立ち止まって正面を見た。ここを真っ直ぐ行けば駅に出れそうだった。だが、またしても上り坂だ。神社までの道のりの急な坂よりはましだが、登りには変わりなかった。
急ぐ必要もないむつは、のんびりと周りを見ながら駅に向かい、ようやく電車に乗れたが座る事は出来なかった。
足も疲れたし、今日はよく寝れそうだなと思いつつ、ドアに寄り掛かるように立っていた。途中、地下鉄に乗り換えよろず屋に戻った頃には疲れきっていた。
普段の運動不足が祟ったのか、足が痛い。
「たーだいまぁ。もぅまじ疲れた」
颯介に愚痴りつつ、椅子に座るともう立つ気にはなれなかった。




