表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-人形の街-  作者: 幹藤 あさ
116/410

3話

「お待たせ」


盆をテーブルに置くと、むつは西原の隣に座った。そして、お茶を入れて湯飲みを差し出した。


「話って何?…って聞くのはやぼだな」


ふふっと笑ったむつは、鞄からついさっき銀行で記帳してきた通帳を見せた。


「何だこの額…仕事受けたんだ」


「この金額だしね。社長の不倫疑惑を晴らしてやる為にもね」


むつは熱いお茶をずずっとすすった。濃く淹れたから、渋味と香りが口の中にいつまでも残っている。


「やるんだ…」


「反対?」


「まぁ正直、俺は沼井とそんなに係わりないから、あれだけど。前の事件の事は篠田さんから聞いてるし…そんなヤツの為に何かする気にはなれないしな」


「まぁ…そうね」


「金と山上さん以外にも何か理由でもあんのか?」


兄からの頼みです、とだけは口が避けても言えないむつは、少し黙ってしまった。


「もし、もしもの話な。何か脅されてるっていうか、圧力的なのがあるんだとしたら…相談くらいは乗れるぞ?何か出来るとは断言出来ないけど」


「えっ、あ…そんなんじゃないよ。んー警察上層部?とやらに恩を売るのも悪くないかなって思ったり…かなぁ」


湯飲みを持ったまま、むつは困ったように首を傾げている。西原がそんな風に心配していたとは、思いもしなかったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ