3話
「何でそこまで想像つくんだよ?」
「えー?だって、悩んでたから。沼井が嫌いなら断れば良いでしょ?部外者なんだからさ。けど、それが出来なかった…それは何故か。沼井よりも上の人も絡んで来ちゃってる気がしてねぇ…ん?って事は沼井はいちにぃより上の人だったの?」
しんなりしたレタスを食い千切れず、引っ張り出してしまったむつは、指でつまんでソースを垂らさないように口に詰め込んだ。
「そーだ。あの人は警視監で、俺は警視正。ま、知っての通り署長さんな。ちなみに、冬四郎は係長で、篠田君が課長、西原君は主任って所だな」
「あーそうなんだ。それが、凄いのかどうかはよく分からないけど…みんな肩書きついてるのかぁ。あたしは平なのに」
ぱさぱさしたバンズを口に入れ、もごもごと噛みながら、ふーんとむつは言っていたが、少しだけ悔しそうだった。
「で、あと何人同じのが居るの?」
「2人だ。役職と名前は伏せとくね」
ずずっとコーヒーを飲みながら、晃は渋い顔をして見せた。
「苦い水だな」
「そんなもんよ。で、理由は?」
「口止めされてるからだ…ま、あれだお前が沼井さんのを引き受けたってのを2人が知ったら、その2人もお前に依頼するだろうな」
「沼井とその2人は繋がりあるの?」
「あぁ、片方は入院してる。同じ病院だけど、その人は一般病棟だ、個室だけど…3人がまとめて俺に話を振ってきたんだよ。篠田君と仲良いからね」
「あーで、その篠田さんは怪異大好き変人だもんね。つてが有りそうだわね」




