登場人物
【サルべード家】
〇九太郎・ソロア・サルべード……家族の父。画家を自称している。妻のエリザベートが亡くなってからは、子供たちの給料で夜な夜な飲み歩く、父親失格の男。
〇エリザベート・フォン・サルべード……家族の母。五年前に死去。白髪で、明るい性格。愛称はエリーザ、リーザ。
〇ワイド・ディムール……長男。ラゴナの丘にある教会の神父。また「ラゴナ孤児院」の設立者。眼鏡をかけ、細身の長身。
〇レーダ・キリマヴェージ……長女。黒髪に赤い瞳。兄妹の中で唯一、父である九太郎に孤児であったところを拾われている。王都に住み、踊子として働いている。
〇ロッド・マイヤード……次男。北国出身によくみられる金髪碧眼で、髪はよくハーフアップにしている。容姿は女性のようであり、本人も女性であると主張している。画家を目指しており、普段は妹の双子の世話をしている。
〇ポン・グレコ……次女。王都に住む彫刻家。ラゴナの丘の教会に設置する彫刻を制作するため、頻繁に帰省する。頬には薔薇の刺青があり、髪は黄土色に近い茶髪でくせ毛。
〇メアリ・アボニー……三女。 名無し 初の王国軍士官候補生。運動能力に長け、修練も欠かさない真面目な性格。同い年のポンとは犬猿の仲。くすんだ銀の髪色をしている。
〇レア・アウリウス……四女。双子の姉。妹に比べると凛々しい顔つきをしており、性格も大人びている。
〇フィア・アウリウス……五女。双子の妹。姉に比べると、容姿も性格もおっとりしている。
【エルターニャ】
〇アイリー・ロシェン……目に包帯を巻いた女性。アールス王国より東にある、ローア連邦の出身。カミラの店に居候しているところ、九太郎と出会った。背が高く、病的なまでに体が細い。
〇アリサ・フラナリー……ラゴナ孤児院の母的な存在。九太郎とは古くからの友人。性格は男勝りである。ロッドと同じく、北国の血を引く金髪碧眼。
〇カミラ・コフラン……売春店を経営する女主人。九太郎の夜遊びに付き合って傍にいることが多い。いつも薄着のドレスを纏っている。
〇カルロス……「喫茶エル―ロ」の主人。悩みの種は九太郎の無銭飲食や喧嘩。腹が出ており、いつもサスペンダーでズボンを吊っている。髪は薄く、オールバックにしている。
〇チタ・ハルトーレ……エルターニャ公国を統べていた領主の娘。エリザベートと同じく白髪。
〇エリーゼ……チタ・ハルトーレの侍従。
【アールス王国】
〇サール・カシラス……天才ツェーロ奏者。王立管弦楽団への加入も間近と目されている。黒髪のショートに深い青の瞳。サルベード家の兄妹たちよりも先に、九太郎とエリザベートと一緒に暮らしていた。
〇オットーさん……レーダの後見人で、王国での受け入れ先。
【王国軍】
〇サキラ・コレスタ中尉……軍内では「赤銅の女神」と呼ばれている、軽騎兵連隊の華。実力も伴っており、騎乗能力は軍内でも屈指で、偵察任務に重宝されている。
〇ムト・ハジラル少将……アールス王国十二師団の一つ、エルターニャを含む南方方面を師管区とする「托身」の師団長。特権階級出身の叩き上げで、年は六十。白金に近い金髪を逆立たせている。