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復讐鬼  作者: 中村淳
第4章 『黒鬼討伐』
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第4章 25話 『罰ゲーム』

龍平達が、湯に浸かっている頃…

男湯のすぐ隣の女湯で三人の少女達が騒いでいた。

幸運にも、その日は彼女達以外に人は居なかったので注意される心配はなかった。


「わぁ~、櫻子ちゃんの胸、大きいねぇ~」


「ちょっと!、早苗ちゃん止めてよぉ~」


水本早苗は櫻子の豊満な胸を鷲掴みしていた。

早苗の両手の掌は、櫻子の胸の柔らかさを味わっていた。


「この胸で、龍平を誘惑してるのか!。悪い女だなぁ~」


「ち、違うよ!。龍平には色仕掛け効かないから…」


湯船に浸かっているせいか、櫻子の顔は少し赤かった。


「それてっさ、試したことあるのかな?」


今の話しを聞いて、早苗は少し疑問に思ったので質問した。

櫻子は、首を横にふりそれを否定した。

その後、少し遅れてあゆなが湯に浸かり始めた。

彼女の能力のせいなのか、お湯の温度が少しだけ下がった気がした。


「いいお湯だね…」


「そうだね、あゆなちゃん…」


早苗は、少しのぼせ気味だったので先にあがってしまった。

その事に二人は少し安堵した。


「ねぇ…櫻子ちゃんは…何で龍平が好きなの?」


少しだけ沈黙が続いた後、櫻子はその問いに答えた。


「分かんない…私もさ…時々考えちゃうんだよね。何で龍平が好きなのかを…」


「分からないのに好き…なの?」


「うん…理由は分からないけど、好きって気持ちだけは分かる…かな」


「そうなんだ…」


また、嘘をついてしまった…


その事に、櫻子は罪悪感を覚えた。

だが、彼女は嘘を突き通すことにした。


「あゆなちゃんはさ…龍平が好きなの?」


あの時は、結局あやふやのまま終わってしまったが、今回はそうはさせない。


「私はさ…龍平の事…恋愛の好きとかそういったものが全くないと言えば嘘になるけどさ。でも、好きとかじゃないんだよね…」


「どうゆうこと?」


そこであゆなは、雪鬼村での事を話した。

早苗にも雪村にも話していない、二人だけの時間の事を話した。

その時、抱いたことも。


「って事があってさ、その時ね私思ったの…彼の助けになりたいって。それだけだよ…」


「そっか…」


これ以上は何も聞かなかった。

その後、長い間沈黙が続きのぼせてきたのであがることにした。




「疲れたな」


「そうだね」


自分ん家で使っている部屋着を着衣し、彼らは脱衣場を後にしていた。

今は、旅館の廊下を歩いていた。


「一体奴は何なんだろうな、得体がしれない…」


「まぁ、いいんじゃない。気にしなくても、何か事を起こすつもりなら既にさっき起こしてるだろうしね」


「それもそうだな…」


龍平はあまり考えないことにした。

今は、この旅行を楽しむことにした。


「喉渇いたし、風呂上がりの牛乳でも飲むか」


「そこはコーヒー牛乳でしょ」


そんな事を言い合いながら、自販機の前に向かうと牛乳を飲んでいる早苗の姿があった。


「何でお前一人なんだ?」


「どうだっていいでしょ…」


そのまま彼女は牛乳を一気に飲み干した。


「あの二人もさ、二人っきりで話したい事あるだろうしね…」


何の事を言っているのか、彼らには分からなかった。

とにかく、喉が渇いているので彼らは自販機で飲みたい物を買った。


「龍平君、どっちが早く飲むか勝負しようよ」


「俺は、味わいたいからお前一人でやってろ」


そう言って、彼は牛乳を飲み始めた。

牛乳を飲み終えてからしばらくしてから、櫻子とあゆなの二人がやって来た。


「お待たせ龍平…待たせ過ぎた?」


「そんなことねぇよ。もう少し待っといてやるからお前ら髪乾かしてこいよ」


龍平は、乾いていない彼女達の髪を見て、彼女達が急いで来たくれたことを理解したが、風邪をひかれてた困るので乾かさせることにした。


「じゃあ、御言葉に甘えて乾かしてくるね」


彼女達の姿が見えなくなると、雪村が龍平の耳元に口を近付け、下らないことを口にした。


「湯上がり女子って謎の魅力があるよね。何時もより三割増しで可愛くなってるよねぇ~」


「口を近付けるな、うるせぇから」


「雪村…聴こえてるから…」


どうやら彼がしたことは無意味だったらしい。

しばらくしてから髪を乾かした彼女達がやって来たので、彼らは龍平達の部屋で騒ぐことにした。




豪華な夕食を食堂で食べ終え、彼らは龍平達の部屋でお菓子を食べていた。

彼女達が持ってきたお菓子の量に雪村と龍平は驚いていたが、直ぐにそれらは消費されていった。


「ねぇ、何か暇だしゲームでもしない?」


早苗がそう言い出すと、櫻子とあゆなが賛成したのでゲームをすることにした。

言い出しっぺの早苗の案で、ババ抜きをすることにした。


「負けたら罰ゲームね」


「それいいね!、何にする?」


「最下位の人が、一位の人の言うことを一つ聞くとかは?」


全員が賛成したので、罰ゲームの内容は勝者に委ねられた。


「それじゃあ、スタート!」


カードが配られ、ゲームが始まった。

最初にジョーカーを持っていたのは雪村だったが、彼はいつもニコニコしていたのでこういったゲームではかなり強く、すぐにジョーカーを龍平の手に届けた。

反対に龍平はこういったゲームにあまり向いておらず、結局そのまま負けてしまった。

一位は櫻子だった。


「それでは、勝者の櫻子ちゃん!罰ゲームは何にする?」


深夜だからか、テンションが高くなっていた早苗はそう聞いた。


「う~ん、特に思い付かないから、また今度別の機会でやってもらおうかな」


「えぇ~、何かやろうよぉ~」


因みに、後で分かった事だが早苗のテンションが高かった理由はふざけてお酒を飲んだかららしい。


「じゃあ、これの一気飲みとかは?」


そこで、早苗が指を指したものが彼女が歳を誤魔化して購入していたお酒だった。


「何で、お前そんなもん持ってんの?」


疑問に思い聞いてみた。


「博士が、盛り上がるから買っておけってさぁ~」


この時、早苗を除いた四人の博士への信頼が完璧になくなった瞬間だった。

とりあえず、これ以上早苗が酒を飲まないように彼女が持ってきたお酒の残りは全て台所に流した。

その後、早苗が眠ってしまったのでとりあえずお開きにすることにした。


「僕が、早苗ちゃんを部屋に送るよ」


そのまま彼は、あゆなと一緒に女子達の部屋へ早苗を背負って行った。


「お前は部屋に戻らねぇのか?」


何故か部屋に残っている櫻子に理由を聞いた。

彼女の性格なら、このまま部屋に泊まると言い出しかねない。


「さっきのさ、罰ゲーム何をしてもらうか決めたからさやってもらおうと思って…」


「その事かよ…」


どっちにしても面倒事だった。

しょうがないのでさっさとそれを済ませ、彼女に部屋に戻ってもらうことにした。


「それで、何をすればいいんだ?」


すると、彼女は顔を赤くしながら口を開いた。


「私のことを…抱き締めてほしい…です」


流石にそれは嫌だった。

何故なら、恥ずかしいからだ。


「それ以外は?」


「抱き締めて…」


どうやら、それ以外はないらしい。

仕方ないので彼は覚悟を決めた。


「じゃあ…行くぞ…」


「う…うん」


そのまま彼は、彼女の身体を抱き締めた。

その時、彼女の花のようないい匂いが彼の心を穏やかにした。

それと、彼女の豊満な胸が当たっていた。

高校生ではあり得ないぐらいの大きさだった。


「これでいいか」


数秒、抱き締めその後すぐに離れた。

お互い、顔を赤くしており目も合わせられなかった。


「うん…いいよ…」


「もう遅いから部屋に帰れよ…」


「送ってよ…」


しょうがないので、彼女を部屋に送っていった。

お互いに何も喋らなかった。


「おやすみ…」


「おやすみ」


それで、今日は終わった。

とても精神的に疲れる一日だった。

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