第4章 5話 『予感』
数週間ぶりに学校に行った彼はまず最初に学力調査テストみたいなものを受けさせられた。
一時間目から四時間目までずっと続いたのでかなりしんどい。
「めんどくせぇよ…」
誰もいない自習室に彼はそう呟いた。
四時間目のテストが終わり彼は昼食をとることにした。
久し振りに会うクラスメイトに彼は少し嬉しかった。
櫻子と仲の良い友人達がパーティーの様なものを開こうと言い出したが流石にそれは申し訳なかった。
櫻子が作った弁当を食べ終え、そのまま彼は学校の授業を受けた。
周りの人は疑問に思ったかもしれない。
何故、黒崎龍平が授業についていけているのかを理由は基地で既にやっていたのだ。
こうゆうこともあるかもしれないという備えだ。
やっとのこさ六時間全ての授業が終わり彼らは自由の身になった。
「よ~し、黒崎の退院祝いとして皆でカラオケ行こうぜ!」
帰り際にクラスの一人の男子がそう言い始め、龍平と櫻子を含む男女10人が近くのカラオケ店に向かった。
カラオケ店に行き、部屋に入り、自分の曲を入れ終わると隣に座っていたクラスメイトに声をかけられた。
「なぁ…黒崎ってさ、河村と付き合ってんの?」
最初は意味の分からない問い掛けだったが、直ぐ様彼の気持ちを察した。
「俺と櫻子は付き合ってないよ。ただの幼なじみだよ」
それを聞くと彼は安心したかのような顔をした。
そして二時間が過ぎ、彼らは解散となった。
カラオケが終わると櫻子から近くのコンビニで待っていてほしいと言われたので彼は待つことにした。
数分後…
「お待たせ…待った?」
制服に身を包んだ彼女は少し息を切らしながらこちらに来た。
「そんなに待ってないけど、ってか何かあったの?」
龍平は彼女が遅れてきた理由について聞いてみた。
「カラオケ終わる頃にさ、クラスの男の子にさ、告白されちゃってさ。も…もちろん御断りしたから…私には…龍平が…」
途中で遮って彼は話し出した。
「櫻子ってモテるんだな…」
今まで気づいていなかっただけなのかもしれない。櫻子は単純に見ても可愛い。性格も明るいし優しいから、きっとモテるに違いない。
「そうだよ!、私はモテるのだよ!」
「凄い凄いー」
棒読みで返すと彼女は少し不機嫌な顔をした。
こんな日常が長く続けば良いのに、そんなことを彼は思った。
しかし、彼の願いは叶うことはなかった…
その頃、黒崎龍平に向かって一つの弾丸が放たれた。




