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復讐鬼  作者: 中村淳
第3章 『黒鬼討伐隊選抜試験』
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第3章 18話 『追跡者』

黒崎龍平がさらわれた直後…

赤城隼人達は酷く動揺していた。


「一体どうゆうことだ…」


「何で中条さんが…」


と言ったことが主だった。

とは言え既にことは起こった後なのだから何かしらの対応が必要だ。


「赤城さん…今すぐ龍平を助けに行きましょう!」


まず最初に声をあげたのは水本早苗だった。

しかし、赤城隼人の反応は良くはなかった。


「どうしたんですか?」


「助けに行くのは行くけど…はっきり言うね。助けに行けるのは僕と天原さんと進一君と早苗ちゃんの四人しかいないんだ」


この事に水本早苗は驚愕した。


「どうしてですか?」


「まず、吉野君の負傷が少し深くて直ぐには動けそうにないんだ。それと他の上位の人も今は基地の守りを強化しないといけないから助けに行かせるための人員を出すことが出来ないんだ」


頭では理解出来ても、心の奥底では理解出来なかった。

仲間を助けに行きたいのに誰も手を差し出してはくれないのだ。


「それと、あゆなちゃんのことだよ。彼女は自分の意思で中条彰の方に行っていたとしたら…彼女には死んでもらうしかない」


この言葉にこの場にいる全員が沈黙した。

確かに彼女が本当に裏切っているなら殺さなければならない。

果たして自分にそれが出来るのだろうか…


「移動手段はどうするんですか?」


今度は雪村進一が聞き始めた。

彼は人手不足の事についてはもう諦めたらしい。


「博士に頼んでヘリコプターで行くよ…『雪鬼村』へ」


「『雪鬼村』?」


水本早苗と雪村進一、そして天原凉音も首を傾げた。

そのあと赤城隼人は説明をしてくれた。


「あゆなちゃんと中条彰の生まれ故郷だよ。そしてある鬼の伝説があるところでもある…彼らが行くなら恐らくここかな」


具体的な理由も証拠もないが悩んでいても仕方ないので、ここに行くことにした。



基地の近くの建物の屋上にあるヘリコプターに彼ら四人は乗り始めた。するとそこに一人の女性が割り込んできた。


「私も同席してもいいですかねぇ~?」


そこには刀袋を携えた清水遥が居座っていた。

博士がいることに疑問を感じ始めたが時間がないので気にしないことにすることにした。

その時の博士の表情を水本早苗は見てしまった。

決して見てはいけない表情だった。

恐らく地球上に悪魔がいるならこんな笑い方なんだろうなと感じさせる程に邪悪な笑みを浮かべていた。


「楽しみですよぉ~やっと見れるかもしれませんからね

『神殺し』の能力…」


彼女の一人言は恐らく誰にも聞こえてはいなかった。

そのまま彼らも『雪鬼村』へ向かい始めた。

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