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復讐鬼  作者: 中村淳
第3章 『黒鬼討伐隊選抜試験』
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第3章 4話 『試験の資格』

黒崎龍平が河村櫻子を送っている時間、二人の人物が密会していた。


「凄いですね。貴方の能力、俺の鬼の能力を強化してくれるって聞いたときは驚いたけどまさかここまで強くなるとは思いませんでしたよ」


フードを被った男は黒い法衣を身に纏っていた人物にそう話しかけていた。


『良かったですね…ではお願いを聞いてくれますか?』


「はい…何でも聞きますよ。貴方さまにはこれから私が率いる新しい黒月組の支援をしていただきますから」


その人物は一枚の写真を差し出しこう言った。


『この人物の名前は黒崎龍平…彼を殺してきて』


「分かりました。貴方の能力で強化された俺の能力で殺します」


『ありがとう…もう少し強化してあげましょう』


その人物は爪を男の首もとに突き刺し、


『<彼の者に力を与えよ>』


爪から黒い靄が男の身体に流れた。


「ありがとうございます」


そのまま彼らの密会は終わった。



翌日、黒崎龍平は河村櫻子と一緒に学校へ向かっていた。

昨日のことがあり、少しぎこちないが二人は会話をしていた。


「ねぇ…龍平…昨日の野菜炒めどうだった?」


「あ…あれか…美味しかったよ…」


そのまま学校の校門を通り校舎に入り、教室に向かった。


「櫻子ちゃん、おはよう!」


席につくと、後ろの席の上野瀬菜が挨拶をしてきた。


「おはよう!瀬菜ちゃん、今日も可愛くて羨ましいよ」


「それはないよ、櫻子ちゃんの方が絶対に可愛い!」


そう言いながら二人はハグをしていた。

朝から疲れるな…

そんなことを思っていると。


「龍平君もおはよう!」


上野瀬菜はこちらにも挨拶をしてきた。


「おはよう…」


黒崎龍平はいまいち上野瀬菜のことを好きにはなれなかった。上手くは言えないが瞳の中から暗い何かを感じるからだ。

そしてチャイムが鳴り、今日もまた学校が始まる。



学校が終わり、黒崎龍平は基地に向かっていた。

理由は、清水博士に呼ばれたからだ。

基地の研究室に着くと清水遥と赤城隼人がいた。


「こんにちはぁ~龍平君、今日君が呼ばれた理由分かりますかぁ~?」


突然の質問に少し驚いたが冷静に考えた。


「昨日のことですか」


「少し惜しいですねぇ~、ここからは赤城さんに説明してもらいますねぇ~」


そう言って彼女は赤城隼人にバトンを渡した。


「龍平君、君が今日呼ばれたのは黒鬼討伐隊選抜試験に関することだよ」


その言葉を聞き、胸が高鳴る。ずっと待っていたこの時が遂に来たのだと思った。


「つまり…俺は試験を受けれるんですか?」


「いや…僕らが出す課題をクリアしないと無理だよ」


期待を裏切られたような気もするが気にしないことにした。


「何をするんですか?」


「昨日あった通り魔のことを覚えているよね…君にそいつを殺してきてほしいんだよ。そいつは黒月組の残党でね、今の黒月組のリーダーなんだよ。月影雅義みたいな面倒なやつになる前に殺してほしい」


「分かりました。そいつを殺せば討伐隊に入れるですよね?」


「それは違うよ。そいつを殺せば試験を受ける資格が貰えるんだよ」


期待していたのとかなり違いショックを受けた。

それから赤城隼人はもう1つ付け加えた。


「それとこれはペアでやってもらうから。因みに君のペアは水本早苗だから」


更に面倒くさい。絶対に後々揉めるな。

未来に起こるであろう面倒事に頭を悩ませていると。


「龍平君…今君は人を殺せと命じられて何も反感を抱かなかったかい?」


「え…」


言われてみればそうかもしれない。

自分はもう人を殺すことに何も感じなくなってきたのかもしれない。

だが、そんなことはもういい。


「別に抱きませんよ」


「そうか…」


黒鬼を殺すためなら何人でも殺す…

そう誓った。


「それじゃあ。また明日、詳しいことは話すよ」


そう言ってこの話しを締めくくった。

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