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復讐鬼  作者: 中村淳
第3章 『黒鬼討伐隊選抜試験』
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第3章 1話 『その後のこと』

5月25日、黒月組が黒崎龍平の学校を襲撃した日。

死者の数、約350人(教員も含む)

負傷者 約50人 (軽傷者も含む)

殺した敵の数、約40人

殺された味方の数、0

中でも重要なのが、月影雅義の死亡。

そして新たに判明した黒鬼十師団の一人の能力。

黒崎龍平がこの報告書を読んだのは約一週間後のことだった。

あのあと彼は、度重なる激闘の負傷を完治させるため病院で治療を受けていた。



6月3日、この日黒崎龍平と河村櫻子は学校に向かっていた。

慣れない他校の制服を着衣し、彼らは歩いていた。

黒崎龍平達の学校は襲撃を受けたため暫く授業が出来ないことになり、それまでの間別の学校に通うことになったのだ。

黒崎龍平は少し不満そうに歩いていた。


「はぁ…何で知らない学校に行かねぇと駄目なんだよ…」


サイズが微妙に合っていない制服とチクチクと肌触りの悪いネクタイに手を回しながらそんなことを言っていると。


「そんなこと言わないの、せっかく皆で学校に通えるんだから楽しまないと!」


少しばかり無理矢理な笑顔を作りながら河村櫻子はそう訴えてきた。


「そうだな…と言ってもクラス全員じゃねぇけどな」


「そこは言わないの」


黒崎龍平のクラスは彼を入れて40人おり、流石にこれらの人数を同じとこに通わせるのは無理があり、幾つかの学校に割り振られたのだ。


「にしても、朝から俺んちに来るなよ。今日は寝ようと思ってたんだから」


黒崎龍平が不機嫌な一番の理由がこれなのだ。


「登校初日にサボらないの」


そう言いながら彼女は鼻をつまんできた。


「痛い痛い…」


少し涙を浮かべながらそう言った。



電車で20分、そこから徒歩で10分のところにある公立高校に黒崎龍平と河村櫻子と他の何人かの生徒は通うことになった。

黒崎龍平の学校の生徒の数は、

一年生6人、二年生5人、三年生7人。

歩き終え、学校の校門を通り指定された靴箱に靴を入れ、持ってきていたスリッパを履き黒崎龍平と河村櫻子は一階の教室へと向かっていた。

途中、在校生に絡まれた。主に櫻子なのだが、そのせいもあり遅刻ギリギリの時間に彼らは教室に着いた。


「遅刻ギリギリですね。登校初日でこれはいただけませんね」


自身の持つ、腕時計に刻まれている時刻を見ながら担任の小林竹尾はそう言った。


「すいません」


二人揃って謝罪をし、自己紹介をすることになった。あと一人うちの学校はこのクラスにいるらしいが体調不良で休んでいた。

それも当たり前だと思う。たくさんの人が死んだのだ少しぐらい体調を崩していても仕方ないのだ。

そして、自己紹介は櫻子から始めた。


「河村櫻子です。え~と…」


どうやら言うことを何も考えていなかったらしい。

自分も考えていなかったので彼女のを参考にすることにした。

すると、


「ねぇねぇ…櫻子ちゃんの趣味は?」


会って間もないのに早速人のことを下の名前で呼ぶ強者がこの教室にいたことに黒崎龍平はかなり驚いた。


「私の趣味は、音楽聴いたり、読書かな」


「他には?」


その強者の女子は更に聞こうとしてきたが、担任に止められた。


「これからよろしくお願いします」


そう言って彼女は自分の自己紹介を締めくくった。

次は俺の番か、めんどくさいな。

そんなことを思いながら教卓に立ち、自己紹介を始めた。


「黒崎龍平です。趣味はこいつと一緒で音楽聴いたり、本読んだりすることです。これからよろしくお願いします」


簡潔に自己紹介を済ませ、俺たちは自分の席の場所に向かった。



黒崎龍平達の席は前から四つ目のところだった。

その後ろには先ほどの強者の女子がいた。

さっきは少ししか見なかったけど、その女子は染めているのかを疑われるくらいの茶髪だった。

さらに顔立ちも整っており美人だった。

先ほどのことがなかったら、歳上のお姉さんと勘違いしていたかもしれない。

その女子は俺たちに話しかけてきた。


「これからよろしくね!、私の名前は上野瀬菜。

櫻子ちゃんに龍平君ね」


「よろしくね、瀬菜ちゃん」


こうゆうところは素直に女子が凄いと思う。


「よろしくな、上野」


「瀬菜でいいよ龍平君」


「慣れるまでは許してくれ」


そして、授業が始まった。

どうやら自分達は早速友達が出来たかもしれないなと二人して思っていた。



その日の放課後…

誰もいない屋上でその女子は電話していた。


『計画通り、潜り込めたようだな』


「はい…ですが明るいキャラなのは少し疲れますが」


『まぁいい、黒崎龍平に発信器は着けたか?』


「中条様の御命令通り、彼の首に着けておきましたよ」


『流石、瀬菜ちゃんだな』


「中条様…気持ち悪いのでやめてください」


『すまないな、さてと今日はめんどくさい集まりがあるから、例の場所に来いいいな?」


上野瀬菜は気だるそうに答え、通話を終わらした。


「はぁ…めんどくさいな…」


先ほどの笑顔はなくなり、本来の表情をし、

その場を後にした。

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