第2章 エピローグ 『神殺し』
黒崎龍平達の学校が襲われる2日前の日の出来事。
とあるホテルのスイートルームの一室。
その部屋に付いてる風呂場でその男はシャワーを浴びていた。
その男は今年で定年を迎え、自分が社長を努めていた大手企業を息子に譲り、今は隠居生活をしていた。
その男がいる部屋に一人の女が向かっていた。
女はとても色白な肌をしており、見るもの全ての目を奪うそんな美しさも兼ね備えていた。
顔立ちは整っており、キレイな顔だった。
髪も少し茶色が混ざっておりそれもまた女の美しさを底上げしていた。
髪の長さも腰の上らへんまであり、とても艶やかで妖艶な印象がある。
その女は慣れないヒールを掃きながら男の部屋へ向かった。
手に持っていたマスターキーをドアに当て鍵を開いた。
そのまま荷物を置き、風呂場へと向かった。
風呂場の前の脱衣場で服を脱ぎ、大きめのバスタオルで身体の見られたくないところを隠し浴槽の扉を開いた。
「待っておったぞ!」
すぐさま老人の男が声を荒げた。
「お待ちして申し訳ありません」
「構わんよ、女性の身支度を待つのは紳士の務めだからな」
「ありがとうございます。今から精一杯ご奉仕させていただきます」
そのまま女は老人の方へと近づいた。
女は老人の背中に抱きついた。
「これは堪らんのう」
老人は女の身体の柔らかさを味わっていた。
「ありがとうございます。それではそろそろ…
あなたを殺します…」
次の瞬間、女は胸元に隠していたナイフを手に取り、老人の首もとを切り裂いた。
そのまま女は、老人の首もとを持ち床に叩きつけた。
老人は血を流し、絶命した。
「はぁ…血がついた。もう最悪…このままシャワー浴びて帰ろうかな」
先ほどの笑顔とは真逆の無表情になっていた。
まるでそれが本来の表情であるかのように。
シャワーを浴び、身体を拭いて服を着衣し、髪を乾かしていると電話が鳴った。
「はい…もしもし」
『もしもし…仕事は済んだな?』
「はい…無事に終えました。暇でしたのでシャワー浴びてました」
『今から迎えに行く…』
そのまま電話を切った。
「さてと…そろそろ準備しないと…」
女は荷物を取り、部屋を後にした。
女は部屋を出ると、こう言った。
「ねぇ…いつまで隠れてるつもり?とっくに気付いてるから早く出てきてよ」
すると、黒い法衣を着ている男が数名現れた。
「黒鬼様の御命令に従い、今から貴様を殺す」
そして男達は襲いかかってきた。
「師団はいなさそうね…」
少しガッカリしながら女はナイフを手に持った。
数分後…
「はぁ…またシャワーを浴びなきゃな…」
数名の死体の上を歩きながら女はそう呟いた。
そのまま、エレベーターに乗り、一階まで向かった。
エレベーターを降りると、冷気を感じた。
その冷気の発生源に目を向けると、そこには凍りついた人の塊が無数にあった。
「何をなさってるんですか?中条様…」
中条と呼ばれた筋肉質の男はこう答えた。
「証拠隠滅だよ…そうゆう君は?瀬菜ちゃん」
「その言い方は止めてください。気持ち悪いので」
「ごめん…さてとそろそろ隠滅するか。
<砕け散れ>」
すると、氷の塊は粉々になり跡形もなく消えた。
そのまま二人はホテルを後にした。
既に深夜を迎えた夜の町を二人は歩いていた。
「中条様、これで反対派はあと何人ほどでしょうか?」
「そうだね…恐らくあと8人かな」
「そうですか…」
「早く全員殺さないとね…約束の日が来る…」
「そうですね…そろそろ私は帰らしてもらいます」
「明後日の予定分かってるの?」
「月影雅義様が、黒崎龍平の学校を襲撃するにあたり、私たちは付近の警察署の壊滅…ですよね?」
「その通りだよ…、黒崎龍平が本当にあの能力があるのかを見極めないとね…」
「分かりました…それではまた…」
そのまま二人は夜の町へと消えていった。
瀬菜と呼ばれた女は近くの公園へと向かった。
別段深い理由などない、ただ足を運んだだけ。
そのまま彼女は近くのベンチに座り1枚の写真を出した。そこには彼女ともう一人、ある男が映っていた。
「あと8人…それであなたに会える…、
必ず…あなたを蘇らせてもらうから…」
その写真の二人の表情はとても幸せそうな表情をしていた。
2日後…
基地の研究室にて…
清水遥はパソコンであることを打っていた。
「いやぁ~まさか龍平君がぁ~あそこまでのあまちゃんとは思いませんでしたねぇ~」
「確かに彼は少し甘いね」
もう一人の人物もそれに同意していた。
「でも、彼はあの計画によって造られたあの能力があるのは間違いないと思うよ」
「そうですねぇ~、干渉できない拳に干渉出来ているのでそれは間違いないですねぇ~」
そしてそのまま、以前書いていた黒崎龍平の能力名を変えていた。
神殺し
そう変えていた。
「君が本当に神を殺せるのか楽しみだよ黒崎龍平君」
赤城隼人は笑いながらそう言った。




