表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
復讐鬼  作者: 中村淳
第1章 『黒鬼との遭遇』
3/113

第1章 2話 『3月9日午前』

3月9日、今日は彼らの卒業式の日を迎えていた。いつもより少し早い時間に起きた彼は顔を洗うことにした。洗い終わるとインターホンの鳴る音がした。時刻はまだ7時前だった。といってもこの事は黒崎龍平にとって日常茶飯事なのだ。

玄関を開けるとそこには制服姿の幼なじみ坂本葵が立っていた。


「おはよう龍平、昨日は眠れた?」


「おはよう葵、普通に寝れた」


そして彼は坂本葵を家の中に入れることにした。

身長150㎝程の小柄な坂本葵は黒崎龍平の2階建ての家の階段を軽やかにかけ登った。

部屋に入ると、彼女はその腰の辺りにまである髪を三つ編みしだした。彼女の髪は少し茶色がかっていて何回か染めたか疑われる程だった。


「何をしてるの?」


「卒業式にふさわしい髪型にしようかなって思ってさ」


するのはいいけど自分ん家でやってほしいものだ。そう思いつつも彼女のことを見てしまう自分の弱さを情けないと思っていると、突然テレビのニュースが慌ただしくなった。


『速報です!、皆さん大変なことになりました。

今朝未明、内閣総理大臣の岩本浩三首相と複数の国務大臣が謎の集団の襲撃を受け………

殺されました。現場に駆けつけた500人の警察官も謎の集団により壊滅しました。生存者は3名程しかいません。繰り返します…』


そして俺たちの日常は少しずつ少しずつ変わっていった。

このニュースは朝からやっており、占いや天気予報もせずに流していた。これのせいで今日のラッキーカラーを知ることの出来なかった俺は少しイラついていた。だが、そんな事よりも内閣総理大臣が殺されたことの方が極めて重要なのだ。

そんなことがあったにも関わらず卒業式は始まろうとしていた。

俺たちは時間なので学校に向かうことにした。

そしてもう1つ、ニュースにはされなかったけどある事件が起きていた。午前10時頃、俺の家から少し離れたところの駅前で爆発事件が起きた。

犯人は分かっておらず数名の死者が出たらしい。

この事は内閣総理大臣死亡により、世間には伝えられなかった…

学校に着くと朝からニュースのことが話題になった。


「おはよう龍平、ねぇニュース見た?」


もう一人の幼なじみの河村櫻子がそう聞いてきた。


「おはよう櫻子、俺もニュースは見たよ、大変なことになったなこの国はどうなるんだろう?」


あまり感心していないことを言った。

正直、国の未来などあまり黒崎龍平は興味ないのだ。すると。


「もぉ~、また思ってもないこと言っちゃってさ、まぁ龍平らしいけど…」


そう言うと彼女は友達の元に向かった。

そのあと、式も無事に終わり先生や友達との写真も撮り、俺たち三人は家へと帰ろうとしていた。

すると櫻子が龍平に小声で話しかけた。


「ねぇ龍平、いつになったら葵に告白するの?、もしかしてクラスの打ち上げの後とか?」


「その通りだよ、お願いだから黙ってろよ」


しっかり釘をさした。

そして俺たちは家に帰ったのだ、まだこの時は知らなかった。内閣総理大臣殺しはまだほんの始まりに過ぎなかった。この後、彼に待ち受けるものは恐ろしい絶望と悲しみ、そして『鬼』が待ち受けていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ