第2章 3話 『博士』
後ろに振り返ると、そこには女の人がいた。
身長は150㎝程でとても小柄だった。
顔立ちは整っており、綺麗ではなくかわいい系、
髪は寝癖なのか少しぼさついていた。
そして顔に少し大きめのまるめがねを付けていた。
「こんにちはぁ~、黒崎龍平君」
かなり気の抜けている挨拶だった。
「こんにちは…」
何だかよく分からず返事をしてしまった。
この人物は何者なのかそんな疑問が湧いていると
それに気づいたのか、隣にいた赤城隼人が説明を始めた。
「紹介するよ龍平君、彼女の名前は清水遥。彼女は見た目はこんなんだけど、鬼についての研究の第一人者なんだ」
彼は分かりやすく説明した。
だが、研究者なのは何となくは気づいていた。
服装がサイズが合っていない白衣を着ていて少しヨレヨレだった。
「さて、私のことは分かってくれましたかぁ~?」
「はい…、よろしくお願いします清水博士」
元気よく挨拶した。
そして彼女に連れられ研究室に向かった。
研究室に着くと、清水遥が話しだした。
「さぁ~てぇ~と龍平君はぁ~、鬼についてどのくらい知ってるんですかぁ~?」
「あんまり詳しくは知らないです」
「あちゃー、やっぱりですか。赤城隊長、仕事してくださいよぉぉ~」
すると赤城隼人は申し訳なさそうな顔をしていた。
「すまない、すっかり忘れていたよ」
「まぁ~いいですけどぉ~」
そして気を取り直し鬼について話しだした。
「龍平君、鬼の色分けはご存知ですかぁ~?」
「いえ…、知りません」
「なるほど、本格的に隊長は役に立ちませんねぇ~、鬼の色分けとはですねぇ~、簡単に言うならその鬼の力がどのくらいなのかを知るためにするんですよぉ~」
頭の中に疑問が浮かんだ。
なぜ鬼の力を知る必要があるのだろうか?、だいたいは同じなのでは?。
それを口にすると。
「違うんですよねぇ~、そもそも鬼の力は四段階に分けられるんですよぉ~」
「まずはぁ~、一番強い『赤鬼』、その次に『青鬼』、三番目に『緑鬼』、最後に『黄鬼』の四段階に分けられるんですよねぇ~」
分かりやすく絵を描いてくれた。
「なるほど…、この前赤城さんが俺の鬼を『赤鬼』と言っていましたけど。それって凄いんですか?」
すると清水博士の反応は凄まじいものだった。
「凄いどころではないんですよ!、『赤鬼』はそう簡単には出てこないんですよぉ~、『赤鬼』一人の力で日本の自衛隊員全員殺せますよぉ~」
さらりと凄いことを言い出した。
「そもそも鬼の色なんてどうやって知るんですか?」
「それはですね、単純にその人から発せられている。鬼の波動の色で分かるんですよ。因みに龍平君と隊長は二人とも赤色をしていますから二人とも『赤鬼』ですよぉ~」
鬼の波動が少し謎だったのだが、後で赤城隼人が教えてくれた。分かりやすく言うと、鬼の力に目覚めた人間から発せられるオーラみたいなものだと。
「さてと、鬼の色分けについては教えたので本題にうつりますかぁ~、『鬼化』知っていますよね」
「鬼化は、鬼の力に目覚めた人間のことですよね」
その事を聞くと、とても安心していた。
「さて、そろそろ本題に入りますかぁ~、龍平君の鬼の能力について調べますよぉ~」
そして俺は自分の能力を知ることになる。




