第2章 2話 『秘密基地』
それは、坂本葵が死んだ後のことだった。
「黒崎龍平君、君は葵さんを蘇らせたいかい?」
赤城隼人は意味深なことを口にした。
「可能ならそうしたい…、でも出来ないでしょ」
既に諦めていた。
自分に出来ることは、彼女を殺した黒鬼を葬ることしか出来ないのだ。
「黒崎龍平君、鬼の力を少し甘く見ているね…」
「どうゆうことですか?」
鬼の力、その言葉に反応してしまった。
もし、鬼の力でこんな能力があれば…
そう思っている能力があった。
そして、赤城隼人はある2つの能力について話しだした。
「龍平君…、もしかしたら葵さんを蘇らせることが出来るかもしれないよ。実は僕らの目的は黒鬼を殺すことと、もう1つあるんだ。それはね、
時間を操る鬼と、蘇生の鬼。この2つの能力を探しているんだ。このことは入隊するときに話すことにしているんだ。この2つの能力は過去に一度ずつ観測されているんだ。一緒に探さないか?」
一筋の希望が見えた。
もし、この2つがあるのなら彼にとってそれは、
最後の希望だった。
そして彼は、入隊することにした。
黒鬼を殺すため…
愛する人を蘇らせるために…
そして今、赤城隼人に連れられ龍平はあるショッピングモールの地下駐車場に来ていた。
入学式が終わりしばらくしてから赤城隼人が迎えに来てくれたのだ。
駐車場のところにある非常階段を使い、更に地下へ進んでいった。
すると、とても分厚い扉が見えた。
その扉の暗証番号を打ち込み、扉を開けた。
中に入ると、そこはとても眩しかった。
構造は一言で言い表すなら病院のようなものだった。
至るところに手すりが付いていた。
あまり感心が湧かず放心していると、
「あんまり凄くないでしょ?、ここ」
隣にいた赤城隼人が気持ちを察してくれた。
「はい…、もっと凄いのかと…」
少し落胆していると、
「まぁここのことを秘密基地って言う人たちもいるけど」
「どうゆうことですか?」
少し引っかかた、秘密基地とはどうゆうことなのだろうか。だが、その疑問は後に回された。
「さてと、君の能力について検証しないとね…」
そこからまた歩き始めた。
しばらく歩くと、武器を持っている数名の集団と出くわした。
その武器を見ていると、憎悪が渦巻いてくる。
すると、
「やっぱり憎悪が増しているね、うんうん…。
龍平君は赤だね」
頭の中にクエスチョンマークが浮かんだ。
そういえば、この前『赤鬼』と呼ばれていた。
そもそも『赤鬼』とは一体なんなのか。
よくわかっていなかった。
思いきって聞いてみることにした。
「赤城さん、『赤鬼』って何ですか?」
「あれ…、言ってなかったかな?、参ったな」
すると、
「やっぱりぃ~、赤城隊長はぁ~、仕事してないんっすね!」
元気よく明るい声が聞こえた。




