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第2章 プロローグ 『痛み』
「痛い…」
そう呟く自分をおかしいと思ってしまった。
口の中が切れたのか、口から血が出てきた。
普通なら治るはずの軽傷が治らない。
いやそもそもおかしいのだ。
何故『鬼の力』が発動しているのに痛みを感じるのか、そう思っていると。
その男は笑っていた。
「痛いかい?、黒崎龍平…でも貴様は重大な罪を犯したんだ!、黒鬼様のお身体に傷をつけた!、
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!、憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
その男の狂気が恐ろしい…
「さて…、そろそろ処刑してやる!、貴様の屍を黒鬼様に見せたら…きっと私を認めてくださる!」
そしてその男は手に持っている剣を振りかざした。
「まだ…、死ねない!」
黒崎龍平は刀でその攻撃を防いだ。
その男との闘いはまた始まった。




