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 取り敢えず、久しぶりに桃太郎のパロディを書いてみました。

 昔々というとどれ位昔なのか? などと疑問になるだろう。しかも、昔ということにより、現在の過去を話しているようにも聞こえる。だから、言い方を変えようと思う。


 こことはまた別の地球にて、ある所にお爺さんとお婆さんがいた。ジジイとババアなど何処にでもいるのはわかってはいるが、このジジイとババアは少し変わった体験をする。その体験を、ここに少しだけ記そうと思う。


 ある日、とはいっても、まあジジイとババアにとってはただの一日にすぎない日の事だった。ジジイがこれからの仕事を探そうと【高齢者専用労働斡旋所】に顔を出し仕事の書かれた帳面を捲りながら顔をしかめていた時。ババアが家の裏のボロっちい二層式洗濯機が動かずにイライラしながら洗濯機を蹴り飛ばしたあと、仕方無しに近くの川で洗える物だけでも洗おうとやってきた時。


「環境破壊汚染物質を流すんじゃねぇぞ! クソババア!」

「ジジババの垢が環境汚染なんじゃねぇの?」


 下品な笑い声や暴言も聞こえたが、ババアは無視して自分の作業を開始した。綺麗な水とは世辞にも言えない川の水で、せめて明日着る服だけでもと洗っていると、川上から大きな桃が流れてきた。その大きさ、縦横共に一メートル程度。


「物の怪じゃ……。物の怪桃じゃ……」


 それを見て驚き、ブツブツと呟いていたババアだったが、気が付けばその背にしっかりと【物の怪桃】を背負い、赤子のように紐で結んでいた。あまりの重たさに汗だくになり、四苦八苦しながら家に辿り着いた。


「して……どうするかね……。こんな物の怪桃、持って帰ってきてしもうて……。きっとジイさんに知れたら叩き斬られてしまうわな……」


 そうは呟いたものの、捨てに行く気にもなれずに、取り敢えず家の中で出来る家事をしながらジジイを待つ事にしたババアだった。


「なんだこれは!?」

「桃……ですよ? ジイさん……」

「桃? お前はこれが桃だと言うのか!?」

「ま、まあ物の怪桃じゃが……。桃……には代わりないじゃろ?」

「この化け物みたいな桃が? これが桃だと?」


 ジジイとババアの口論は続く。どちらも己の意見を貫き通し、どちらも引き下がらぬまま。


 今日から毎日、朝9時に更新します。

 全15話で、更に短編的なので、直ぐに終わると思います。

 作者の自己満足の上に成り立っていますので、面白味に欠けるかもしれませんが……。


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