表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/28

第4章 特捜部

秋雨が国会議員会館の窓を叩く。未来創生党のフロアには、いつもと変わらぬ日常が流れていた。秘書たちは地域要望の整理や国会質問の準備に追われ、議員は次の委員会に向けた資料をめくっている。


しかし、ここ数日、党内には落ち着かない空気が漂っていた。「検察がこちらを狙っているらしい」――そんな噂が、廊下の隅で囁かれていたのだ。


だが誰もが首を傾げた。一体、何を理由に?党幹部の誰も、具体的な容疑を思い浮かべることができなかった。


---

午前10時。会館のエレベーターホールに黒い背広の一団が現れる。東京地検特捜部である。


若手議員・小山田拓と第一秘書・杉浦の名が呼ばれた。


「逮捕状が出ています。同行をお願いします」


場の空気が凍りつく。小山田は、何かの冗談かと一瞬思った。だが検事の声は冷徹だった。


「容疑は――公示前の事前運動に秘書を従事させ、その期間に給与を支払った運動員買収」


耳にした瞬間、小山田も杉浦も言葉を失った。


「……事前運動? 給与が買収?」


頭の中で繰り返しても、意味がつながらない。なぜそれが“犯罪”になるのか。腑に落ちぬまま、2人は無言で手錠を掛けられ、廊下の奥へと連れ去られた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ