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第二十二話 それは突然に

連載作品における現実恋愛部門日刊ランキング2位でした!応援ありがとうございます!

 放課後、俺は星名と根上の荷物持ちをするため一緒に帰ることになった。


「あのー、お二人共?」

「「……」」


 なんだろうか。今日の休み時間、茜たちと会話をして以降どうにも様子が変だ。

 横暴さはいつも通りなんだが、なんというか素気無い。


「やっぱよぉ。付き合えれば誰でもいーんだろミナト」

「えぇ!? なに言ってんすか!?」


 急にどーした星名のヤツ!?

 それは今日真っ正面から否定しただろ!


「だってよぉ。茜に付き合うか聞かれた時、メチャクチャ顔緩んでたじゃねぇか」

「……」


 うーん。正直緩んでた自覚はある。が、それは仕方のないことだ。

 俺は釈明することにした。


「星名さん。それは『仕方の無いこと』ってヤツなんです」

「あぁ?」

「いいですか? 男っての言うのはですね。可愛い女子から付き合ってみるなんて言われたら、好きじゃなくても顔面ゆるゆるになるんですよ!!」

「そ、そういうモンか?」

「そういうモンです!!」


 俺は力強く首を縦に振った。


「ふーん。それならよぉ……」

 

 俺の前に立った星名は、ニヤリと笑いながら口を開く。


「ウチと付き合ってみるかミナト?」

「いえ、結構でブフォウ!?」


 瞬間、頬に衝撃が走った俺は数メートル後方に吹き飛んだ。


「話がちげぇじゃねぇか!! 可愛い女にこーいうこと言われたら嬉しいんじゃねぇのかよ!!」

「すんませんちょっと色々混乱して……!!」


 あと嬉しいよりも圧倒的に恐怖が勝って……!!


 なんてことを口に出すと追撃を食らうことを理解した俺は、すんでの所でその言葉を飲み込んだ。


「ったく、ンだよそれ」


 プイッとそっぽを向いた星名は再び歩き出した。

 

 はぁ……やっぱワケ分かんねぇなコイツ。

 

 相変わらず読めない星名の心境にげんなりしながら、俺はその後ろをついていこうとすると……。


「ねぇねぇ湊斗、なんで琴葉たちのことは名前で呼ばないの?」

「え?」


 根上の言葉に呆気にとられた。


「な、なに言ってんすか根上さん……?」

「湊斗、今日茜たちのこと名前で呼んでた。けど、琴葉と千聖のこと、名前で呼んでない」

「……まぁ、アイツらには名前で呼んでくれって言われたんで」


 あとは仲良い奴は勝手に名前で呼んだりあだ名付けたりする。

 

「そういやそーだな」


 そう言って前を歩いていた星名がこっちに戻って来た。


「じゃあよぉミナト、これからウチらのことも名前で呼べな?」

「そーだそーだー」

「……」


 二人の要求に、俺は頬をピクピクさせる。


 正直に言おう。俺はコイツらを名前で呼ぶことにメチャクチャ抵抗がある……!!


 だって俺、コイツらと仲良いワケじゃねぇし!! それに名前で呼んで後からそれを理由にまた罰ゲームとか言われたら俺泣いちゃう……!!

 

 が、ここで渋ってはそもそも二人が不機嫌になり罰ゲーム直行コース。

 目の前に危険が迫っているのに、対処しない理由はねぇ。


「わ、わかりました。んじゃあ……呼びますよ」


 一応保険のために『さん』は付けよう。

 マジであとで罰ゲームとか言うなよ……!!


 意を決し、俺は息を吸い込んで、もう一回名前を呼ぼうとした。


「千聖ちゃん」


 ――その時だった。


 少し高めな男の声が、俺の耳に入る。

 声のした方に目をやると、そこには三人の男がいた。

 そして真ん中に立ってた男はマッシュルームヘアに、ムカつくが整った顔。柔らかそうな物腰。


 なんつーか、ラブコメ漫画の軟弱主人公みたいな野郎だな。


 真ん中に立ってた奴にパッと抱いた第一印象はソレだった。

 だが、ソイツが星名のことを名前で呼んだと、俺は本能的に理解した。


 つーか、誰だコイツら……?


 あまりにも唐突に出てきた男三人に、俺は眉をひそめずにはいられない。

 

 星名のことを名前で呼んだってことは、知り合いなのか?

 

 そう思って、俺は星名の方に目をやると……。


「……」


 当の星名は固まっていた。

 この反応、どーやら本当に知り合いらしい。


ハジメ……」


 絞り出すように言う星名。


「久しぶり。会えて嬉しいよ」


 どうやらあの軟弱ラブコメ主人公っぽい奴の名前ははじめというらしい。

 ……いやカッコ良すぎだろふざけるな。


「なんで、ここに……」


 創って奴を前にして、星名は明らかに動揺していた。

 星名のこんな姿は初めて見る。一体どーしたんだコイツ?

 

 そんなことを考える俺を他所ヨソに、会話は進んでいく。


「なんでって、決まってるじゃないか。千聖ちゃんを迎えに来たんだよ」

「は、はぁ? なに言ってんだよ」

「なにって、千聖ちゃんとの約束だよ」

「約、束……?」

「『ウチに釣り合う男になったら、ハジメを一人の男として見てやる』……俺、千聖ちゃんの言葉を胸に今日まで頑張ってきたんだ。今じゃ不良チームのアタマ張ってるんだよ? 本当はもう少し他の不良チームを潰して実績を上げても良かったけど、もう十分だと思ってさ。あ! でもまだ足りないって言うなら今すぐいくつかチームを潰してくるよ?」


 ニッコリと笑いながら結構ヤベェこと言ってんなコイツ。


「っお前……なに、なにやってんだよ! たしかに言ったかもしんねぇけど……違う! そうじゃ、そうじゃなくて……!」


 星名が大声を出す。その顔はどこか悲しそうだった。


「なにが? いつも俺を守ってくれた千聖ちゃんの隣に立っても迷惑にならないように、なんだったら千聖ちゃんを守れるくらい俺、強くなったんだ!」

「だから……!!」


 見る限り、どうにも平行線って感じだ。

 いやぁ、にしてもまさか星名のことをこんなに好きなヤツがいるなんてなぁ。


 ……ん?


 そこで、俺は気付いた。


 このはじめって野郎を星名の彼氏にすりゃあ、俺が解放されるじゃねぇか!

 なんてこった。まさかこんな急に俺の求めてやまなかった人材が向こうから現れるなんて……遂に運が俺に味方を始めたってことかぁ!!


 突如到来した千載一遇のチャンス。なんとしてでもモノにすべく、俺は思考を巡らせた。


 見た感じ、星名の方が向こうを拒否ってる感じだ。つまり、星名の方をなんとか落ち着かせて、良い感じの雰囲気に持ち込めるように橋渡しをすりゃあいい。

 待ってろ創()()!! この俺が二人を繋げる恋のキューピットになってやる!!

 

 状況を整理し、冷静にやるべきことを理解した俺は、早速行動を開始した。


「ま、まぁまぁ落ち着きましょうよ星名さん。そっちの人とは知り合いなんですよね? とりあえず久々の再会を祝して近くのラブホ……じゃねぇ喫茶店にでも行くのはどうです? 積もる話もまぁあるでしょうし? 邪魔者は退散しますんで!」


 ふっ、完璧なバトンパス。

 さ、お二人で街中へ駆け出しなさい。そして昔話でもしてブチ上がって、ラブホでも野外でもいいからさっさとヤッてお付き合いを……。


「なぁ。そーいえば、さっきから気になってたんだけど、お前だれ?」

「え?」


 が、その時だった。

 創くんの鋭い視線が、俺に向けられる。


 え、なんか創くん……キレてない……?

ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも

「面白そう!」

「続きが気になる!


と思っていただけましたら、ブックマークや評価をいただけると嬉しいです!

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