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人鬼〜JINKI〜 時空の守護者たち  作者: 志摩
4、物語の始まりー異世界の生き物の集結

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解決策とは


「この蝶々も早く対処しないともっと被害も大きくなるでしょう。これだけにとどまるとも思えない。何か新しいものが次々出てくる可能性だってある」


 黒井は寒い顔をして「うす」と一言だけ言った。

「人員的にも増やして欲しいのに、増えないじゃない」

「対処できる人がいないんです。だってこの世界にいた霊能力者って方達は実体化しているものは相手できないじゃないすか……」

「鈿どうにかしてよー。だってあのまま隔離しているわけにはいかないでしょ? どうにかこちらの人員としてお仕事ができるようにしないと。あのままでは話もできないし」




「かなり衰弱してるらしいですよ」


 ぼそっと一言、後ろからヤブが声をかけてきた。





「衰弱してるの? どうして? 隔離されているとはいえ、ちゃんと管理されているんじゃないの?」


「いや、それが出された食事は一口も食べないって聞いたよ」


 さも当然のように、ヤブは姫様の隣にきた。

「どうなんです? 姫様、鉄のお兄様については?」


「気難しいやつなのは確かですよ」


「まあ、あの感じを見ればそれはわかりますよ」

「うっす。近寄るなオーラぱねえっす」


「あぁそうなんだ。まぁ食べ物は元々好き嫌いは激しいけど、いや食べ物はかりじゃないか。好き嫌い激しい、人嫌いも激しい。でもご飯に関してはね、色々変わってるからあったとこっちは。好きとか嫌い、それだけじゃないんじゃない? 鉄だって食べられなかったでしょう、色々」


「そうなんですよね。食べ物が違いすぎるんでしょう。後は明らかに警戒してますね。それに関しては鉄君が会いに行ったところでだめでしたけど。兄弟仲悪いんですよね」


「仕方ないね。それは昔からだわ」

 鉄と鈿はそもそも仲が良くない。


「姫様じゃないとダメですかね? お兄さんと話すのは。でもなー、姫様に関しては本当に規制が厳しいんですよね。なんでだか、こちらの人間だった、というか、であるからでしょうね」

「姫様も警戒されてんだね、うちのお偉いさん達から」


「曼ちゃんだったらすぐに会わせてくれるの?」



「おそらくそうみたいですけど。一応あちらの世界から来たって言うことにはなっているので、鉄君も会えた位ですから。曼くんもあるんじゃないですかね」


「そうなんだー。私はあちらの記憶があるって言う事は話してあるんでしょ?」


「もちろんです! んで、聞いた話は全部提出して、確認されてるはず。向こうもちゃんと見てるはずなんですけどね」


「じゃあ嘘じゃないことはわかってるんでしょう? それにあちらと同じ力も少しずつ使えるようになってきてるし」


「そうなんすよね。こちらでもおかしい事象が発生しているって、対処しろっていう割に、上の方が認めてくれないんすよ」


「全く動いてくれないって事は、こちらが苦労するってことよね」


「そうそう。こういうことがあったから調べとけ。あとよろしく。しか言われないからなー。でもそろそろ無理になってきたんじゃないすかね。今回の蝶々なんか目撃者も多いし、被害も出てるし」


「ニュースにもなってるし、個人の発信も多すぎて隠し切れないでしょう」


「だと思いますよ。人が多い地域で明らかに超常現象的なことを起きましたからね」


「みんなわかっているよ、何かやばいことになってる。でも隠されてるって」

「そうっすね、明らかにやばいっすよ。マスコミが情報出さなすぎてインターネット界隈がひどいっす。信用ならない〇〇機関とか、怪しい煽りのサイトとか増えてます」

「そうよね、いかに情報が信用されてないのかわかるわ」


 2人は大きなため息をついた。

 


「今までのようにひた隠しは無理でしょうね」

「隠してるつもりなだけで、もう何もなってないっすよ」

「あの蝶々はこれからどうしましょう?」


 2人は姫様の方を見た。


「退治する、か共生するか、かな」


「共生は無理でしょ!」

「日常的に火の玉飛んでるなんて無理っす!」


「こちらの感覚ではね。あちらではほっとけばよかったからね。無視すればいいのよ。あの感じではね、流れてきたにしちゃ多すぎる。多分どこかで産卵してると思うよ」


「いやー。そうっすね。産卵とかもありえますね。この前ゲートが開いたっぽいのは1週間前って報告でしたから」


「でも確かじゃないんでしょ?」


「ええ、まだ装置も作りかけですからね。大気の状態となんかの条件で測定してるって聞きましたけど」


「それはまだまだ実験段階であんまり意味はなさそうな意見だな」


「まあそれは置いておいて。もう全てを駆除することはできないと思うよ。あれだけいたってことはもうこちらの生態系に組み込まれていると思ったほうが早いよ」


「えーと。それってどうしたらいいんですか?」


「どうって言っても、こういうのがいるので、こうしてくださいみたいな対象方法を出すしかないんじゃないの? 全国的に」


 黒井はうっ顔を歪めて、かなり苦しそうな顔をした。


「それっていうのは、もうこういうおかしな現象が発生していますっていうのを公開して、こういう生き物が住み着いちゃってるって言わなきゃいけないってことですよね」


「そうです。だって無理でしょう。こんなにいるんだよ。今日何匹退治したと思ってんの? 多分30匹以上だよ?」


 爆蝶は紅蓮がいれば、あっという間に解決となるかもしれない。


「紅蓮さんすね、一応スペシャリストにお願いをして綺麗にしてもらってるんで、そろそろ帰ってくる頃ですよね。4ヶ月経ちますから」


 口に出ていたようだ。黒井が答えてくれた。


「そうね、よかった。こちらの世界にすごい方刀鍛冶の人がいて」


 紅蓮の刀は私たちでは、何をしてもきれいにできなかったので、黒井に専門家を探してもらって、その中でも、神や精霊といったものを、信じてきちんとしてくれる人に任せた。

 それがなんとまぁ高校生の男の子でびっくりしたのだが。数年前に亡くなった。おじいさんから全てを学んで、後を継ぐために、幼い頃から努力してきたそうだ。

 たまたまそんな子に出会えてよかった。4ヶ月ください。その子が言った約束の4ヶ月。それを少し過ぎている頃、そろそろ連絡が来ていい頃だろう。



 それだけの期間があれば……。私たちの力も戻るだろうか。彼にお願いしたときにはそう思っていたのだが。

 この期間、私と曼ちゃんは2人で訓練しながら、黒井と鉄と一緒に、いわゆる怪しい情報を調べる仕事をしていた。

 はじめは、噂程度だったよくわからない話が、このところ実際に起こる事件になってきている。この騒ぎもそうだ。


「炎が飛んでいる」「火の玉を見た」そんな通報が多発。いよいよ本格的に、あちらの世界のものが表面になってきたのだ。

 もうオカルト的なものでもなく、科学的な何かで証明できるそうな、実体化しているところまできている。もう隠せないところまできちゃっただろうに、国のお偉いさんはまだ隠したいみたいだ。



「とりあえず目撃情報のあった蝶々さんたちはみんなやっつけたって言うことで! 報告はしています」


「今日は近場でよかったね。この山の中から。それを飛んで1時間めちゃくちゃしんどいよ」


「俺は嫌です。ここで待ちます」


 真面目な顔で言うのでヤブがケラケラ笑っていた。


「黒井は風酔いだね」

 私と一緒な飛ぶと絶対に酔うのだ。

 何をどうしてもダメで、いつも青白い顔になっている。


「その風酔いってやつなんすか、ひどいっすよ。ほんと」



 ヤブがまあまあと話を変えた。

「まぁ、この熱のせいで、人がほとんど外にいないからよかったよ。いや出ちゃいけないはずなんだけどなぁ。そう考えると、外にいる人も思ったよりいたね」


「いやどうしましょう。明日もっと出たら」


「見つけに行こうってやつが出るかもね」

 ヤブが嫌そうな顔をして言った。

「そうっすね」

 2人してため息をついた。



「人の出入りはともかく、蝶々さんたちは出ると思うよ。今日全て駆除しているとは思えないし、明日もこの暑さが続くって予報だからね」


「人手不足が深刻だよ」



 また話がふり出しに戻ってしまった。

 2人でも3人で話しても結局はそこに行き着く。


 うーん、とヤブが上の空で何か口を動かしたりしている。

 何を言うのか2人が少し待ってみると…


「今回のことに関係しているから調べたいんだ。って言えば会えるんじゃないかな。ちょっと嘘っぽいかもしれないけど。人手不足解消につながるかも……」


「鈿のこと?」


「そうよ。だって彼に聞いたら対処できるんです! どうにかしてくださいって言ったらさ」

 どうかな? と悪そうな笑顔で話している。



「まあ出てきたやつを捕まえるしか、今の人員では対処できませんって言ってみて、どうなるかってことだね」

 黒井とヤブは何やらアイコンタクトで首を捻り合っている。


「黒井、うまく丸め込める? あの管理部の人」


「管理部の方はなんとかなる気がするけど、許可出すのは対策室本部でしょう? そっちがなぁ」


「それは私にはできない話ね。黒井とヤブにお任せするよ。なんとか鈿と話す機会作って欲しいな」


「そうっすよね。人手不足も深刻だし、実際これ以上何か出たら、知識的な方でも不足しそう」


「そうね。姫様なら、お兄ちゃんの方もなんとかできるんでしょう?」

 ヤブは急に話を投げた。


 

「鉄と鈿は仲悪いからね。鈿のことを鉄になんとかするのは無理だと思う。あと曼ちゃんは単純に阿呆だから。私が行くのがいいと思うよ」


「じゃあそんな感じで、適当に話を盛りましょ」


 黒井がはい! と右手を挙げた。

「なんか条件出されたらどうしますか?」


 パチンと、ヤブが指を鳴らした。

「極力さけましょう! もしもの時は、どうしよう。姫様はなんでも対処できる?」


「うーん。そうだな、なんでもは難しいかも。でも鈿の対象については責任持ちましょう」


「まあそこは任せるしかないですよね。とにかく、条件出されたら確認してからで」


「最悪外には出さなくても、話はさせて欲しいな。ご飯で釣りましょ。鈿も一緒にご飯させてくださいって言ってなんとかしてみてよ」

 今度は姫も悪い顔を見せた。



「や、まさかそんなお話が簡単にうまく行くわけが……」





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