(3)聖女様は、伯爵令嬢から侯爵令嬢に成り上がる
「初めての夜会は緊張します」
伯爵令嬢としての教育が一段落しましたので、今日は夜会デビューです。
お義父様のエスコートで入場しました。
「王族主催の夜会は、伯爵家以上だけが出席を許されるのですね」
各伯爵家にご挨拶して回ります。
貴族には順位と派閥がありますが、令嬢教育で頭に叩き込んでいます。
ついでに、伯爵家へお婿さんにこれる令息はいないか、探します
少し余裕ができたので、周囲を見渡すと、おじ様クラスばかりで、適齢期の独身女性は少ないです。
金髪の第一王子と金髪の婚約者のダンスが始まりました。
婚約者は、同級生なので見慣れていますが、今夜は一段と色っぽく見えます。
でも、婚約者の体調がすぐれないようです。
ダンスの後、会場のスミに移動しました。第一王子が心配そうです。
「フラン、貴女は治癒の魔法を使えますよね? 行ってあげなさい」
「はい、お義父様」
婚約者の不調を治療しますが、、、これはご懐妊です。
第一王子にお祝いを申し上げるべきでしょうか?
いえ、ここは知らないことにすべきです。
婚約者だけに聞こえるよう、小声でご懐妊を祝福しました。
「第1王子様は、婚約者様と仲がよろしいのですね、うらやましいです」
お世辞を言って離れましょう。
「いや、私が公務で忙しく、ほとんど会うことができないので、こうやって夜会で踊ることしかできていない、婚約者なのにすまないと思っている」
第一王子は真面目な堅物のようです。
婚約者と会えない日々を嘆いています。
「彼女の学園での生活を教えてくれないか」
「はい、婚約者様は素晴らしい方です」
学園でのハイスペック令嬢のたわいもない日常をお話しします。
「ところで、フラン嬢は、伯爵家の令嬢でしたよね?」
第一王子から話を振られました。
「弟の第二王子は、貴女の伯爵家の後ろ盾を必要としています。いずれ結婚の話が行くと思いますので、考えておいて頂きたい」
あらら、第二王子も同級生で、何度かお話をしていますが、うわさでは手が早いので、距離を置いている相手です。
◇
後日、国王からの命令で、お義父様と登城しました。
第二王子と婚約するようにとのお話でした。これは政略結婚です。
「当家の跡取りは、フランだけです」
お義父様が、身分の違いに困惑しています。
「では、伯爵家を、今日から侯爵に陞爵して、第二王子を婿とする」
「結婚後、当主を第二王子とし、侯爵から公爵に陞爵する」
国王の命令です。
「謹んで拝命いたします」
お義父様が折れました。
「では、フラン嬢は、年末年始休みで、王族としての教育を受けていただきます」
あ~、王族の令嬢としての教育が加わりました。
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