世界恐慌
サンフランシスコの被害が現れた後、被害は尚も続いた。
被害地は、アメリカ、ドイツ、日本、フランス、イタリア、韓国、オーストラリアと世界各地に渡っていたのだ。
さすがに見過ごせなくなった公共機関も、警察や軍隊、他にも動かす。
優勢に思われたが、そこはバーチャルとの違い。
実弾兵器ではどれもこれもやられるだけだった。
このままでは危ういと、諦めずに住民としてモンスターと戦う人々。
しかしそれで消せるのも僅かに過ぎない。
あるものは精神を食われ、あるものは精神を破壊されてしまった。
10人はいないと消せないモンスター。
精神が尽きるのも無理はなかった。
連日連夜流れる放送。親類、または恋人を無くし、悲しみに暮れる人々。
これを恐れを込めて皆は『世界恐慌』と呼び出した。
外に出るのも怖くなり、誰もが街を歩かない現状。
終わりなき悪夢の世界。
ゲームを作った会社もいつの間にか消え、どうしようもなくなった。
永遠とも思われる世界恐慌。
そんな中、日本に
『PSAS』
の極秘機能を偶然、解いた人間がいた……。恐るべき力を秘めた
『PSAS』
それを彼は使い方も知らず、使ってゆく。
時は1年後の
3001年、 04月 25日
日本。
何気なく伸ばしたゲームの世界への入り口。
壮絶な戦いが待つのを彼は知らない。
全ての住民を巻き込んだ、人々の戦いを背負った高校生。
進むうちに生まれる数々の疑問。
なぜ敵は消えなくなったのか?
黒幕は一体どこにいるのか?
世界を舞台にした最大の戦いが始まる……