忌まわしき時間へ
「テレポートってあの!?」
「ああ。いわゆる瞬間移動だ。だけど何処へ飛ばされるか分からないな」
「危険?」
「分からない。起動してみようか」
雄揮は【テレポート】を選ぶ。
すると、場所の候補がリストアップされた。
外国まである。
「ん?……これって……」
「どうしたの?」
雄揮はリストとにらめっこする。
このリスト……どこかで見たような……。
しかもつい最近だ。
「これ……あの事件があった場所ばかりじゃない!」
「あの事件……」
雄揮はハッとなり、再びリストを見る。
そうか。
このリストは崩壊してニュースに出てた場所なんだ。
「ってことは……」
雄揮はある事を思い付き、リストをタッチした。
すると今度は時間が表示される。
時間を選んで飛べるようだ。
「やっぱりな。これは緊急時のプログラムだったか」
だから武器も最大まで強化出来る。
加えて様々な最強能力も。
バグにしてはおかしいと思っていた、雄揮のカンは当たったのだ。
「それでどうするの?」
「決まってるだろ?行くんだよ。 この路地裏へな!」
雄揮が指した、路地裏の映像はかなり前に少年が2人消えた場所だった。
雄揮は観佳に手を差し出し、
「一緒に行こう、観佳」
笑いかけた。
観佳は頷き、はにかんだ笑顔を浮かべる。
2人は手をギュッと握り、雄揮はテレポートする時間を選んだ。
「テレポート!!」
パシュッ!