BATTLE second 奇蹟の発見
「ここなら大丈夫かな?」
魔法使いが辺りを探している間に、雄揮と観佳は屋上に移動していた。
半ば強引なやり方だったが、観佳の武器はもう数が少ない。
あのまま戦っていても負けるのは目に見えていたのだ。
雄揮は全てを視野に入れ、このような行動に移った。
もちろんそれだけではないのだが。
「観佳、大丈夫か?」
「な……なんとか」
「悪い……コイツの使い方が解らなくてな」
雄揮はPSASを見せる。
「『武器強度変換』は解るけど、どうしたらいいか解らなくてな」
雄揮は観佳の前で『武器強度変換』を選ぶ。
だが何度やってもエラーになってしまう。
「それ、コードを入れないと」
「コード?」
「ひょっとしてコードを知らないの?」
雄揮は頭をかしげる。
コードが無ければ、強度変換は不可能だ。
観佳は自分のコードを知っていたから、出来たが、雄揮は覚えていない。
観佳は「ちょっと貸して」と言うと、雄揮のPSASを動かす。
『コード入力してください』と出るが、
「……ダメ。やっぱりコードがないと」
焦る雄揮は「やってみる」と再び、PSASを動かす。
頭に浮かぶ数字、好きな数字を入力してみるが無駄だった。
「えーい!!」
「あ、そんなことしたら壊れる!!」
雄揮がとうとうやけくそになり、観佳が慌てて止める。
観佳の健闘虚しく、雄揮はメチャクチャなコードを入力してしまった。
落胆する観佳は絶望視してしまう。
あんなメチャクチャなコードが存在するはずがない。
ため息をつき、泣きたい気分だった。
「あれ?なんだこれ?」
雄揮は不思議そうな声を出す。
PSASにはこう書かれていた。
「『シークレットコード確認』……?『シークレット機能を解除します』?」
「シークレットコード?」
観佳がゆっくりと雄揮のPSASを見る。
そこには観佳の見た事がない項目がズラリと並んでいた。
壊れた、観佳はそう思い、顔を伏せるが、雄揮は1つの項目を開いてみる。
武器強度変換を。
「これは……」