BATTLE second 雄揮、疾走。探せ!武器素材!!
観佳に話かけたいが、それも出来ない。
雄揮は1人、考える。
折れにくく、伸びる剣。
それが雄揮が望む形だった。
マンガならすぐに手に出来るが、これは現実。
そんな便利なモノがあるはずない。
一度、そう結論付けようとしたが、雄揮は頭を振る。
「あったはずだ。あれが……」
アレさえあれば、かなり強力な剣になる。
だがアレは学校で使う場所がない。
主に学校とは無関係な場所で使うのだ。
雄揮は記憶をたどり、ある場所に行き着く。
「あった……そうか、あそこならあるぞ!」
雄揮は観佳に背を向け、一気に走り出す。
向かう場所は一階。
普段、生徒が立ち寄らない場所だった。
「ここならっ!」
雄揮は引き戸を開く。
そこは全生徒が立ち寄らない聖域、
『校長室』だった。
雄揮は高校の記録、優勝旗などの飾られた棚を開く。
昔、一度だが見た覚えがあるのを思い出したのだ。
「あった……」
まさかとは思ったが置き忘れにして、ソレはあった。
光り輝く銀色のソレ。
しかし雄揮が必要なのはソレの先端だ。
雄揮は謎の金属を掴むと、扉を閉めようとした。
扉が閉まる寸前、雄揮は更に気付く。
「まさか……アレは?」
長い棒が雄揮の目に止まる。
もしかしたらアレかもしれない。
優勝旗を退かし、雄揮はそれにソーッと手を伸ばす。
「これ……だ。これさえあれば!」
現時点で最強の剣になる。
雄揮は2つを大事に抱え、観佳の元へ急いだ。
「待ってろよ、観佳!今行くからな!!」