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BATTLE4 観佳



観佳はコンパクトミラーをいつでも使えるように構える。


先程、自分が食らってみて分かった。

直射日光の秘められた破壊力。

例え数秒間だとしても、目眩ましになる。

しかも相手は目が弱点の鳥だ。

片方の目が使えなくなれば、弱点をさらけ出すに違いない。


まだ矢が届かない位置から狙ってくるなら、相手の初動作を見切ればいいのだ。


そこまで分かって観佳は自己嫌悪する。

もっと早く分かれば勝てた、と。



「雄揮……」


もっと早く気付いていれば、雄揮を助けてあげれたのに。

どうして自分は肝心な時に限って遅いのだろう。

今だ煙の上がる廊下を見て、観佳はぼやいた。


観佳が廊下に気を取られているスキに、フェイントバードが突進の構えに切り替わる。


先程と違うのは、フェイントバード自体が高く遠い位置から狙っていること。


確実に仕留めようとしていた。


キシェェェ!!

「あ!」


フェイントバードが鳴き声を上げた。

ハッとなり、観佳は矢を素早く構えようとする。


しかしコンパクトミラーが邪魔で、左手が使えない。


ミラーを捨てればいいが、今度は相手の弱点を狙えない。



「うぅ……」


怒りを目に変えたような恐怖の目が観佳を捉える。


フェイントバードは大きく羽を広げ、槍のように観佳に向かってきた。


しかし相手に恐怖を感じた観佳は動けない。


観佳は自分でも分からない内に、ミラーを開いてしまった。



「あっ……!」



気付くと同時にミラーが開く。

尚も迫るフェイントバード。

観佳はゆっくりと教室の中に消えようとした。


だがやはりフェイントバードの方が早い。

観佳との距離はほとんどない。

あるとすれば、窓が阻んでいるだけだ。

観佳は一か八か、左手を盾にして逃れるようにする。



ギェェェェン!!



「え?なにどうしたの?」


フェイントバードは何故か苦しんでいる。

左目を覆い、叫びを上げた。

ミラーには太陽光を反射させていない。

では何に苦しんでいるのだろうか。

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