BATTLE2 美佳
「よ〜し」
観佳は急いで窓へ駆け寄り、構える。
敵が光を放つならば、もう一度光るはずだ。
光が出た瞬間を狙えば、敵を定めるには充分と考えての行動だった。
しかし、敵は感ずいたのか一向に近寄る気配がない。
弓をばか正直に構えていれば誰も寄らないだろう。
「やっぱり気のせい?」
いや、違う。
空だけから来るとは限らない。
もしかしたら下から来るかもしれないのだ。
観佳はまるで小動物のように、空と地面の両方を確認する。
はたから見たらさぞかし奇妙な光景だろう。
観佳が疲れて、油断した時だった。
突然、北の空が光ったのだ。
「見つけた!」
弓に矢をかけ、一気に光に向けて飛ばす。
一本、また一本と徐々に観佳の動きが速くなる。
最初、光に届かず、手前で減速しては落ちて行く。
それでも美佳は諦めない。
前を見据えて、少し間を開く。
もし。
自分が思った通りなら、敵は更に加速をしてくるだろう。
飛行モンスターなら、必ず羽を守り、矢を何らかして防ぐ。
不安は残るが、これしかない。
美佳はグッとこらえて機会を伺った。
「来た!」
祈りが通じたか分からないが、敵の姿を遂に捉えた。
鳥類モンスター、フェイントバードだ。
「速い!」
観佳が驚いたと同時に
【PSAS】
が詳しい情報を映し出す。
その内容とはバードフェイントは超空攻撃を得意とする、モンスターらしい。
観佳は一気に読み進み、敵の弱点に到達した。
バードフェイントの弱点。
それは――
「隠れた右目……?」