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新しいスキル

「ほら、悠。神殿だぞ〜」


「おぉ、これが神殿ですか」


 ガンドさんに連れられて、神殿に到着した。


 神殿には、人の今の俺と同じ15歳ぐらいの子ども達が親と一緒に入って行く様子がちらほらあった。


「ガンドさん、わざわざ送って頂いて、ありがとうございました。このお礼は、いつか必ずお返しします。」


「あぁ、俺は行商人だからな。うちの商品を買ってくれや。」


 そう言って、ニカッと笑った


「では、僕はこれで。」


「おう!また、いつかな」


「はい、次会う時までには少しでも稼いでおきますよ。」


「楽しみにしてるぜ。じゃ、またな!」


「ありがとうございました!」


 そう言うと、ガンドさんは手をヒラヒラ振りながら、馬車に乗って去っていった。


「さてと、とりあえず入るか。見た感じ1人で来てる子もいるみたいだし、問題は無いだろ。」


 神殿は、普通の一軒家ぐらいの大きさの、白い大理石のようなもので作られており、中に入ると、[スキルを授かる方はこちら]と、書いてある看板と、[身分証の発行はこちら]と、書いてある看板が目に入った。


「俺はスキルを授かりに来たから、こっちだな。身分証は後で良いだろ。」


 そう言って、同年代の子達が並んでいる列の後ろに並んだ。

 すると、ちょうど1つ前に並んでいた男の子が話しかけてきた。


「あんた、黒髪黒目って珍しい色してんな。」


 そう言う男の子は、身長165cmぐらいの僕より少し小さめの、金髪緑眼で、かなり元気の良さそうな子だった。


「この国とは、ちょっと離れた場所から来たからね。この辺じゃあんまりいないのかい?」


「あぁ、少なくとも俺は初めて見たぜ?」


「そっか〜」


「それよりあんたさ、スキル貰ったら何すんの?やっぱり冒険者?」


「ん?あぁ、それが1番稼げそうだし、そのつもりだよ。」


「だよな!やっぱり冒険者だよな!」


「お、おう」


 この子は冒険者に憧れてんだな


 そんな事を話していると、前の子の順番がまわってきた。


「お、きたきた。じゃ、行ってくるわ!」


「はいよ〜」


 それから、5分程でとても嬉しそうな顔をしながら戻ってきた。


「どうだった?その様子だと冒険者に役立つスキルだったんだろ?」


「おう!俺の貰ったスキル、その名も〈ステータス上昇+1〉だぜ!」


「よかったな。じゃ、俺も貰って来るからお前も頑張れよ。」


「あぁ!任せとけ!すぐにA級まで上がってやるぜ!」


「A級って事はS級もあるのか?」


「あぁ〜、あるにはあるけどなぁ。S級は特別な称号を持つ、それこそ1国の軍隊を相手にできるぐらいじゃないとなれないからな。

 だから、とりあえずA級になって、功績を上げていかないといけねぇんだよ。

 まぁ、もちろん目指すはS級だけどな!」


「なるほどな。いろいろ話してくれてありがとな。」


「おう!お前も頑張れよ!じゃあな〜!」


 そう言って、元気良く走って出て行った。


「元気だったなぁ〜。さてと、俺のスキルはなんじゃろなと」


 部屋に入ると、女神像があり、神官の女性が1人いた


「そこの、印の所で止まって、祈りを捧げてください。」


 床には直径5cm程の黒い円が描いてあり、そこに屈んで、祈りを捧げる。


「スキルを取得しています。しばらくお待ちください。」


「…っ!?」


 ヘルプの声か、びっくりした。他の人には聞こえてないみたいだな。


「スキルの取得が完了しました。」


「終わりました。」


「では、次の方と代わってください。」


「はい、ありがとうございました。」


 お礼を言うと、神官の女性はぺこりとお辞儀をした。


「とりあえず、次はギルドだな。すぐ隣なのか。」


 神殿を出ると、すぐ隣に[冒険者ギルド]と書いてある看板があったので入る。


 ギルドは、隣の神殿の5倍ぐらいの大きさでこの街の1つの目印になっているようだった。


「おじゃましま〜」


 適当に小さな声で言いながら中に入ると、ちょうど神殿で話しかけてきた男の子が出てくるところだった。


「お、あんたさっきの……そういや、名前聞いてなかったな。俺はノルンってんだ。

 ノルンって呼ばれるのはあんまり好きじゃないから、ノルって呼んでくれ。で、どんなスキル貰ったんだ?」


「へぇ、ノルか。俺は、月永悠だ。ユウ、とでも呼んでくれ。

 そういや、まだスキル見てなかったな…。お、〈必要経験値減少〉ってスキルみたいだな。」


「あ〜、そっか〜」


「良くないスキルなのか?」


「うーん、悪くはないんだよ。だって、最初は他より早くレベルが上がるし、レベルが上がれば強くなるから、ランクもすぐ上がる奴が多い。ただ、レベルって上限があるだろ?だから上限まで上がるとなんの恩恵も受けられないんだよ。」


「まぁ、そうだな〜…てか、なんでそんな事知ってるんだ?」


「なんでって、スキルの情報は色んな人が公開してて、国も調査してるから、案外誰でも知ってると思うぞ?」


「そうなのか…。」


「ま、そんなスキルでもレベルが上がりきるまでは、かなり便利だからさ。お互い頑張ろうぜ!」


「だな。じゃ、俺もいろいろ用事終わらせてくるよ。またな。」


「おう!またな!」


 そう言うと、またどこかに走って行った。


「さてと、受付行こ。」


 その後、何事も無く冒険者登録と身分証の発行を終わらせた。


 冒険者は最初F級からで、依頼の達成状況や態度などをギルド側で点数化し、一定の点数を稼ぐとランクが上がる仕組みのようだ。

 依頼を受ける際は、身分証と依頼書を確認してもらい、手続きを済ませる必要がある。


 身分証は、少しの質問の後、門で貰った仮身分証と交換してもらえた。


 早速依頼を受けるために、掲示板を見る。


「宿代ぐらい稼がないとなぁ。

 お、初心者の定番、薬草採集、これにするか。」


 ===================

 薬草採集


 依頼

 エルダス神国の北の森に生える、ポーションの材料になる薬草の採集


 報酬

 10本で銅貨2枚、採れた分だけ買い取ります


 注意

 夜になると、狼の群れが出ます

 昼間もスライムやホーンラビットがいるので初心者は注意する事

 ===================


 依頼書を持って、受付に行く。


「これを受けたいんですが」


「少々お待ち下さい」


「あ、はい」


 受付の人は、紙を2枚取り出した


「では、身分証と依頼書の提示を」


「はい」


 後ろの機械に紙を入れて、身分証と依頼書をセットし、ボタンを押す


「………はい、手続きが完了しました。」


 しばらくして、それぞれの紙に写しとられ、機械から排出され、身分証と依頼書の写しを渡された。


「こちらを失わないよう、ご注意ください。」


「分かりました」


「では、いってらっしゃいませ」


 ぺこりと一礼してからギルドを出る。


 それから北の門に向かって歩きながら、今後の事を考えていた。


 限界突破と必要経験値減少か……良い組み合わせだな。

 早くレベル上げたいなぁ。


 そう思いながら、歩いていく。


 30分程歩き、北の門が見えてきた。

 神殿やギルドは中央付近にあったようだ。


 門に着くと、門番に言われた


「依頼か?」


「はい」


「なら、依頼書と身分証を」


「どうぞ」


「登録してすぐか。この依頼は、初心者が受ける事が多いが、5人に1人は怪我をするか、死ぬ。

 くれぐれも夜になる前に帰ってこいよ?」


「はい、分かりました」


「そうか、頑張るといい」


 門番さんにお辞儀をして、門から出てすぐ大きな森が目に入った。

 かなり近いらしい


 ちゃっちゃと終わらせて、宿探そっと


次話は、教会(召喚者)サイドの話になります。


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